教育AI活用協会は、全国の教育委員会・教育センターおよび学校(小・中・高)を対象に実施した、生成AIの教育活用に関する調査の結果を、5月8日に発表した。同調査は、3月5日〜31日の期間に行われ、288団体から有効回答を得ている。
同調査は、文部科学省から「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)」が公表された後に実施された。調査対象の組織に、生成AIの教育への活用にどの程度関心があるかを尋ねたところ、「とても関心がある」(47.9%)と「ある程度関心がある」(42.0%)を合わせた割合が89.9%を占めた。

生成AIの活用におけるガイドラインや活用方法について、どの程度理解しているかを尋ねた質問では、「よく理解している」(7.3%)と「ある程度理解している」(43.4%)を合わせた割合が50.7%となった。

令和7年度(2025年度)に、生成AIの活用実証予定があるかを尋ねたところ、「すでに実施が決定している」(16.3%)と「実施を検討している」(25.0%)を合わせた割合は、41.3%となっている。

令和7年度(2025年度)における生成AIの活用実証予定について、「すでに実施が決定している」または「実施を検討している」と答えた組織に、実証において、使用する生成AIは決まっているかを尋ねた質問では、「すでに決定している」が39.5%となり、そのうち約7割がChatGPTを使用すると答えている。また、BingやGoogle Geminiといった回答が目立ったほか、スクールAIやスタディポケット、tomoLinksといった教育特化型のAIサービスを挙げる回答もみられた。

生成AIの活用実証予定があると答えた組織に、実証にあたって利用が決定している、または利用を検討している補助金や制度があるかを尋ねたところ、「ある」という回答は23.3%に留まっている。利用予定の補助金や制度としては、文部科学省が先進的なデジタル技術を活用した教育のモデル校を支援する「リーディングDXスクール事業」がもっとも多く、AI技術を用いた英語の教育支援をする「AIの活用による英語教育強化事業」がそれに続いた。

生成AIの教育での活用について、期待する意見としては、「ガイドラインについての研修や活用事例研修をお願いしたい」「活用事例を教えてほしい」「生徒が安全に使用できるAIを紹介してほしい」「他地域の動向などを知りたい」といった回答が寄せられている。
一方、生成AIの教育での活用に対する課題や懸念としては、「著作権やプライバシーのリスクが懸念される」「AIへの依存が教育現場に与える影響が未知数」「まだ研究の一歩にも進めていない状況」といった意見が寄せられた。
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