Wovn Technologiesは、同社が提供するWebサイト多言語化ソリューション「WOVN.io(ウォーブン・ドットアイオー)」が、東京農工大学の公式サイトに導入され、英語版の公開が開始されたことを、4月22日に発表した。外国人留学生や海外の研究者などとの交流が活発化する中、学内外に向けた情報を英語で発信することで、教育・研究の国際化をさらに推進していく。

東京農工大学には学部・大学院合わせて約6000名の学生が在籍し、そのうち約400名が外国人留学生である。世界各地から学生や研究者を積極的に受け入れており、ASEAN地域をはじめ欧州、米国、豪州などとも留学プログラムや共同研究の枠組みを広げるなど、国際交流を強化している。さらに外国人教員の採用も進み、学内での多文化共生が進んでいる。
そうした背景から、これまでも学部・学科の紹介や、在留資格、学生寮などの重要な情報については英語版のWebサイトを別途作成していたものの、翻訳作業が発生する都度、外部業者に依頼する関係で費用面・時間面のコストが高く、結果的に「日本語と比べて発信できる情報量が少ない」「リアルタイムな日英両方の情報発信が難しい」という課題を抱えていた。また、外国人留学生や海外研究者の増加に伴い、Webサイトを通じてより包括的・迅速に英語で情報を届けたいという要望が強まっていた。
外国人留学生・教員の中には、日本語が得意な人もいれば、そうでない人もいる中で、すべての人に必要な情報を届けるうえで英語対応は必須であるとの考えから、WOVN.ioを採用。公式サイトに導入され、学部・大学院の教育プログラム、研究分野の紹介、学内手続き、寮や在留資格など留学生に必要な情報をはじめ、多岐にわたるページを対象とした。これにより、学内に在籍する外国人留学生・教員だけでなく、海外からの留学希望者や研究者に対しても、大学の最新情報を素早く提供できるようになった。

同学がWOVN.ioを採用した主な理由は次の3点。
AIと人力を組み合わせた翻訳運用が可能
Webサイトのコンテンツには「細かなニュアンスも含めて丁寧な翻訳を行いたい箇所」と「まずは英語で内容が理解できる状態にしておきたい箇所」が存在する。同学では、研究内容のような高い精度が求められるコンテンツや、大学としてきちんとした英語で発信したいコンテンツについては人手による翻訳を、そうでないコンテンツについてはWOVN.ioのAI翻訳を行うという使い分けをしており、そのような柔軟な翻訳方式を採用できる製品UIや機能が評価された。
辞書登録機能による固有名詞の統一が可能
WOVN.ioには、役職名・施設名などをはじめとした多数の固有名詞を事前に辞書登録し、翻訳時に適用できる「用語集」機能がある。これにより、自動翻訳であっても正確かつ統一された表記を維持できる。
SEO対策が可能
WOVN.ioでは英語サイトのURLを指定することができるため、生成したページを検索エンジンにインデックスさせることが可能。これにより、海外の学生や研究機関、企業などに対しても情報を届けるSEO対策の下地を整えることができる。
今後同学では、さらなる国際化の進展を見据え、英語化したWebコンテンツを「教育」「研究」の両面で活用していく。研究成果や留学プログラムの英語での案内を強化し、学内外の外国人教員・研究者にも英語でアピールすることで、海外との連携を一層深めていくという。こうした連携プロジェクトを下支えするソリューションとしてWOVN.ioを活用し、さらなる国際交流の強化を図る予定。
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