みんがくは、コクヨが展開する実験空間「KOKUYO OPEN LAB.」において、技術提供を行った、現代の多様な学校教育現場を想定した授業シーンシミュレーションシステムを、2月22日に発表した。「KOKUYO OPEN LAB.」は、急速に変化する時代における新しい働き方を創出するための実験的な取り組み。みんがくは教育分野でのAI活用における知見と技術を生かし、多様化する現代の教育環境に対応した授業シーンシミュレーションシステムへの技術提供を担当した。
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授業シーンシミュレーションシステムは、新たなテクノロジーや多様化の進展に伴い改革が必要とされる学校現場の課題解決に向けた取り組みを推進するための授業支援領域における挑戦の一例。今の教育現場では、学力レベルや成長ステップの違いを含めて多様な個性を持つ生徒が1クラスに混在しており、教員に個別の対応が求められている。既存サービスではそうした教員への支援が不足している課題を解決するため、授業シーンシミュレーションシステムの開発に着手した。今回の取り組みでは、実際の授業シーンにおける多様な生徒対応をシミュレートし、教員のより効果的な授業運営の支援を目指している。
授業シーンにおける課題解決に向けて、実際の授業に臨む前の模擬授業の新たな形に着目し、みんがくの教育現場におけるAI利活用の知見をもとに、バーチャル上で中学校および高等学校の教員向け授業シーンシミュレーションサービスのプロトタイプを開発した。このサービスは、オンライン上で複数の生徒役のデジタルヒューマンが、教員からの投げかけに対して個別に受け答えをする仕組みを導入している。生徒役はそれぞれ異なる個性を持ち、実際に多様化の進むクラスでの授業シーンをシミュレートすることが可能となる。
例えば、ある生徒役は積極的に発言する一方で、別の生徒役は内向的で質問に対して消極的な反応を示すなど、実際の教室で見られるさまざまな生徒の反応を再現する。これにより、教員は多様な生徒に対してどのように対応すべきかを実践的に学べる。
今後は実際に教育現場でプロトタイプの効果検証を行いながら、教員からのフィードバックをもとにさらなる改良を重ねていく。最終的には、より多くの教員がこのサービスを利用し、授業運営の効率化と質の向上を実現することを目指している。教員の個別対応にかける時間と労力を軽減し、結果として生徒一人ひとりがより質の高い教育を享受できる環境を作るべく、引き続き検証を重ねていく。
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