山田進太郎D&I財団は、スタディプラスが運営するStudyplusトレンド研究所と連携して、高校生・大学生を対象に実施した「文理選択に影響を与える要因:高校生・大学生の進路実態調査」の結果を、12月24日に発表した。同調査は、学習管理アプリ「Studyplus」上で4月19日〜22日の期間に行われ、8831名から回答を得ている。
調査対象者に、中学3年生の頃に文理選択についてどのように考えていたかを尋ねたところ、理系志望が約5割を占めていたものの、男子では58.7%だったのに対して女子では45.2%と、男女で13.5ポイントの差がみられた。
中学3年時の文理選択意向と、文理選択で選んだ進路を合わせてみると、文理選択前の生徒を除けば中3時点で文系・どちらかといえば文系だった人で、最終的に理系に進学した女子は15.4%、男子は14.7%となっている。一方、中3時点で理系・どちらかといえば理系だった人で、最終的に文系に進学した女子は15.7%、男子は15.0%だった。
将来志望する職業・キャリアを地域別や男女別でみると、都市部では「技術職・専門職」がより高い支持を集めており、女子では都市部で12.1%と、地方(9.2%)よりも2.9ポイント高い。「技術職・専門職」がもっとも強く支持されたのは、都市部の男子(30.3%)だった。また、地方では「医療・看護・保健」分野の人気が高く、とりわけ地方の女子では31.2%と、都市部(26.6%)よりも4.6ポイント高い。
文理選択や将来の進路を支持/応援してくれる、または、選択にあたってプラスの影響を与えた人物を尋ねた質問では、女子は「母親」(29.5%)がもっとも多く、「教員」(22.4%)、「父親」(10.9%)がそれに続いた。男子は「母親」(18.7%)が最多となり、以下「父親」(18.1%)、「教員」(17.2%)が続いている。
文理選択にプラスの影響を与えた人物と、女子の文理選択で選んだ最終的な進路と合わせてみると、文系女子では「母親」(30.3%)がもっとも多く、「教員」(24.7%)がそれに続き、「父親」(7.8%)は「友人」(9.0%)よりも低かった。一方、理系女子では「母親」(28.7%)が最多となり、以下「教員」(20.5%)、「父親」(13.7%)が続いている。
文理選択にあたってマイナスの影響を与えた人物としては、女子では「母親」(23.9%)、「父親」(20.2%)、「教員」(19.0%)が上位に、男子では「教員」(19.2%)、「友人」(17.1%)、「有名人やインフルエンサー」(16.2%)が上位となった。
小学校〜高校における理系体験の有無を尋ねたところ、理系体験が「ある」とする回答は約4割に達し、理系を選択した人では63.9%と、文系を選択した人(57.1%)を6.8ポイントを上回っている。
理系体験の有無と文理選択で選んだ進路を、男女別や地域別でみたところ、差異はあまりなかった。
もっとも印象に残った理系体験(学校外の体験に限る)を尋ねたところ、都市部では「プログラミングやロボット製作のワークショップ」で男子が17.4%ともっとも多く、都市部の女子では10.9%、地方の女子では9.5%となっている。
自身は理系に向いていると思うかを尋ねた質問への回答を男女別でみると、男子は女子よりも自身が理系に向いていると感じる割合が高く、「理系に向いている」とする回答は男子では50.1%に対した。女子では31.2%となり、男子とは18.9ポイントの差が生じた。女子では、「理系に向いていない」とする回答が約5割となっている。
自身は理系科目でよい成績を取れるかを尋ねた質問への回答を男女別でみると、「よい成績が取れる」とする回答は男子では60.5%だったのに対して女子は41.7%と、男子が女子を18.8ポイント上回った。
文理選択で選んだ進路をみると、最終的には女子の51.2%が理系を選択しており、自己認識と実際の進路選択におけるギャップが明らかになっている。
自身が理系に進むことを親が期待していると思うかを尋ねたところ、親が理系に進むことを「期待している」とする男女別の回答は、男子が39.5%、女子が30.7%と、男子が女子よりも8.8ポイント高かった。
自身が文系に進むことを親が期待していると思うかを尋ねたところ、親が文系に進むことを「期待している」とする男女別の回答は、男子が16.3%、女子が16.8%と、ほぼ同様で理系への進学よりも期待度が低い結果となっている。
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