SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

次回のオンラインセミナーは鋭意企画中です。準備が整い次第、お知らせいたします。

EdTechZineオンラインセミナー

EdTechZineオンラインセミナー

EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

塾におけるEdTechツール活用事例

残り1カ月に迫る共通テスト「情報 I 」──学習塾の現状と直前対策

 2025年1月の大学入学共通テスト(以下、共通テスト)で初めて導入される「情報 I 」。新科目ならではの課題が多く、受験生や学習塾にとって未知の挑戦が続いています。「情報 I 」の共通テストを控えた学習塾の現場はどうなっているのか。今回は学習塾の現在の状況を、九州北部エリアを中心に展開する学習塾「全教研」の高校事業本部 高校運営グループ長の坂本哲也氏と、同学習塾 高校事業本部 理科・物理担当の押川剛士氏との対談を通じて明らかにします。また、効率的な学び方は何か、残り1カ月となった今何をすべきなのか、合格可能性の最大化のための対策を紹介します。

「情報 I 」の配点は決して低くはないが、生徒の意識はまだまだ不十分

 いよいよ来年の共通テストから、「情報 I 」が新たに試験科目に加わります。学習塾の現場ではこれまで「情報 I 」とどのように向き合い、対策を講じてきたのか。九州北部エリアを中心に展開する学習塾「全教研」の坂本哲也氏は、「まずは『情報』という教科の重要性を生徒や保護者に伝えていくことが重要である」と述べます。

 「2年前に新課程がスタートした時点では、正直なところ情報 I の重要性をそこまで認識できていませんでした。配点もまったくわからず、各大学が本当に試験科目として採用するのかどうかもわかりませんでした。ちょうど昨年末(2023年末)ぐらいから徐々に配点などが発表され始め、これは重要な科目だと認識しました。例えば九州大学の工学部では共通テスト全体の配点に占めるウェイトが13.5%、法学部は14.3%と、これだけ大きいのです。情報 I に関して、われわれのような塾・予備校の職員は専門外の部分もありますが、全教研では生徒さんの合格可能性を最大化することをミッションに掲げ、普段から接してきました」(坂本氏)

「全教研」高校事業本部 高校運営グループ長 坂本哲也氏
「全教研」高校事業本部 高校運営グループ長 坂本哲也氏

 重要性が指摘される一方、同学習塾で理科・物理を担当する押川剛士氏は、「情報 I 」を軽視しがちな現状について、「まだ情報 I への意識が浅い生徒も多く、入試初年度ということもあって現実を感じづらい部分もあるのかもしれない」と指摘。生徒が「情報 I 」の重要性を実感するのは、模試で点数が取れなかったとき、要はプログラミングの問題に苦戦したときであり、「『情報 I 』の大切さを伝えることはかなり難しい」と話します。

 「1、2回お話しただけでは完全に伝わらないですね。高校3年生でも4月から5月ごろは、まだ自分ごととして受け止められていませんでした」(坂本氏)

 「初年度ということもあるのか、高校3年生でも現実感のない生徒はいますね。『情報 I への取り組みで合否が分かれた』という前例を見ていれば違うのかもしれませんが、情報 I の大切さをいかに伝えるかというのはかなり難しいです。説明会を何度も開いています」(押川氏)

同学習塾 高校事業本部 理科・物理担当 押川剛士氏
同学習塾 高校事業本部 理科・物理担当 押川剛士氏

 また「情報 I 」の授業を受講していても、自分の目の前にあるほかの科目にどうしても目がいってしまい、自分で学習進捗を管理できない生徒もいると押川氏は言います。

 「進捗管理が難しい生徒には声かけを徹底し、学習進度の管理やサポートを行っています。私たちはライフイズテックの情報AIドリルを導入しており、その機能で誰がどのくらい進めているか、あるいはどのくらい休んでしまっているかなどを確認しています。『情報 I も大事』ということが頭の中にあったとしても、誰かに背中を押されないと、自分の目の前にあるほかの科目にどうしても目がいってしまうようです。講師は目標から逆算したサポートを意識しています。サポートには限界がありますが、直近で聞いたところでは、継続的な学習と講師のサポートによって、情報 I の模試で20点ほど点数が上がった生徒もいました」(押川氏)

次のページ
いくら早く対策を始めても損はない!「情報 I 」が合否を決めることもあり得る

この記事は参考になりましたか?

塾におけるEdTechツール活用事例連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

田中 大介(ライフイズテック株式会社 学習塾事業部 部長)(タナカ ダイスケ)

 早稲田大学政治経済学部卒業。中央三井信託銀行(現:三井住友信託銀行)での勤務を経て、予備校河合塾の教務本部にて学習塾事業に従事。その後独立して自ら教育系スタートアップを創業した後、2021年よりライフイズテックへ。学習塾向けの新規事業を立ち上げ、学習塾向け「情報 I 」対策教材「情報AIドリル」を...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


この記事をシェア

EdTechZine(エドテックジン)
https://edtechzine.jp/article/detail/11784 2024/12/05 13:00

おすすめ

記事アクセスランキング

記事アクセスランキング

イベント

EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

記事アクセスランキング

記事アクセスランキング