「Mind the Gap」は情報科学を知るきっかけづくり
「Mind the Gap」は、女性のエンジニアが少ないというジェンダーギャップをなくすためにGoogleが行っているプログラムで、最初はイスラエルでスタートした。日本で「Mind the Gap」が始まったのは、Googleでエンジニアディレクターを務めるシンメイ・ツァイ氏が「日本では女性のエンジニアが少なく、一向に増えない状況に失望した」ことがきっかけだったという。
当初、女性エンジニアを増やす取り組みを始めたことがうまくいかなかったことから、情報科学(CS)を学ぶ女子学生を対象に調査を行ったところ、「社会的な奨励」「自己認識」「情報科学と接する機会」「職業の認識」といった4つの要素が、情報科学の道を選択するきっかけになったことが明らかになった。自身も、情報科学との出会いや周囲からの励ましでエンジニアになったツァイ氏は、「日本でも、より多くの女性に未来のテクノロジストになってほしい」という思いから、日本での「Mind the Gap」をスタートさせた。
まず、Google社員の家族を招待して試験的なプログラムを行った後、2014年には10の高校でプログラムを開始。2024年までの10年間で200以上のセッションを実施し、のべ1万人以上の女子生徒が参加したという。そして、参加する前は情報科学を難しいと感じていた生徒たちが、参加後のアンケートでは93%が「楽しい」と回答した。
ツァイ氏は「情報科学は多くの可能性を引き出すための基礎知識であり、テクノロジーによって自分1人でできること以上のことができるようになることを知ってほしい」と参加者に伝えた。