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東京都と山田進太郎D&I財団が女子中高生対象のSTEM体験を提供──デモツアーには小池都知事も登場

 東京都はSTEM分野での女性活躍を推進するため、女子中高生向けのオフィスツアーを2022年度から実施している。4年目となる本年度は、女子中高生のSTEM進路選択を支援する山田進太郎D&I財団と連携し、「Girls Meet STEM in TOKYO」として実施企業を50社以上に拡充する。その中には東京都のデジタル領域を担う外郭団体GovTech東京も含まれており、8月にはオフィスツアーの開催が予定されている。6月11日にはそれに先駆ける形で、品川女子学院の生徒が参加したデモツアーと、報道関係者向けの記者発表会が行われた。

 記者発表会に登壇した東京都副知事の松本明子氏は、「日本の女子生徒の理科や数学の学力はトップレベルである一方、社会に出てからSTEM分野で活躍する女性の割合はOECD諸国38カ国の中で最下位にとどまっている」と警鐘を鳴らす。その要因として「ロールモデルの不在」と「『女子は理系科目が不得意』という固定概念」の2つを挙げ、それらが進路選択の幅を狭めてしまっていることを指摘する。

 そして、大学でSTEM分野を専攻する女子の割合が少ないことは、高校生が文理選択時に進学後および就職時のイメージを持ちにくいことにつながる。これによりSTEM分野への進学を目指す女子生徒が少なくなる……という悪循環が続いてしまっているのが現状だ。

東京都副知事 松本明子氏
東京都副知事 松本明子氏
日本におけるSTEM分野で活躍する女性の割合はOECD諸国38カ国の中で最下位
日本におけるSTEM分野で活躍する女性の割合はOECD諸国38カ国の中で最下位

 こうした状況を打開するためには、女子生徒へ文理選択前にSTEM分野の学びや仕事に触れる機会を提供し、興味を持ってもらう必要がある。東京都は2022年度から女子中高生向けのオフィスツアーを実施しており、参加した生徒からの評価も非常に高かったという。

文理選択前にSTEM分野への興味関心を高めることが重要
文理選択前にSTEM分野への興味関心を高めることが重要
オフィスツアーに参加した生徒はSTEM分野への関心が向上
オフィスツアーに参加した生徒はSTEM分野への関心が向上

 その一方で、参画企業の募集には苦慮もしていたことから、東京都は今年1月に山田進太郎D&I財団と連携協定を締結。メルカリの代表執行役CEOである山田進太郎氏が設立した同財団も東京都と同じく、2024年度より女子中高生向けの体験プログラムを実施してきた団体だ。

 この連携によって、東京都が広報業務を、山田進太郎D&I財団が企業への参画呼びかけや実際の運営を担い、双方の強みを生かす形で「Girls Meet STEM in TOKYO」を実施していく。

 同財団の設立者であり、代表理事を務める山田進太郎氏は「東京で実現した自治体との協力モデルを第1号として全国に広げ、より多くの女子中高生にSTEM領域の仕事に触れる機会を届けていきたい」と展望を述べた。

公益財団法人山田進太郎D&I財団 設立者兼代表理事/株式会社メルカリ 代表執行役CEO 山田進太郎氏
公益財団法人山田進太郎D&I財団 設立者兼代表理事/株式会社メルカリ 代表執行役CEO 山田進太郎氏

 記者発表会と同日に開催されたGovTech東京でのデモツアーには、東京都知事の小池百合子氏も登場し、参加した品川女子学院の生徒と意見交換の時間が設けられた。生徒が抱える文理選択の悩みに対しては、「日本では文理をはっきり決める傾向があるものの、文理の融合にこそ価値があるはず。現実的には大学進学のために文理を選択することになるが、大学を出てから何をしたいのかを考えて、好きなことを極めてほしい」とエールを送った。また、社会において女性のリーダーが少ないという現状については、「女性の力を生かさない手はない。東京都でも能力のある女性職員には積極的に管理職試験を受けてもらっている。女性リーダーの存在が当たり前になる社会にしていかなければならないし、そのためには女性に育児や介護の負担が偏る現状も解消する必要がある」と語った。

デモツアーでは小池都知事と品川女子学院の生徒が意見交換を行った
デモツアーでは小池都知事と品川女子学院の生徒が意見交換を行った

 デモツアー終了後、参加した生徒に感想を聞いた。これから文理選択をするという高校1年生は「テクノロジー系の仕事は男性が多く大変なイメージがあったけれど、女性の方が活躍する姿も見ることができて、理系もいいなと思った」と話した。また、もともと東京都庁で働くことに興味があったという生徒は「実際にオフィスを見学して、働くイメージが湧いた。GovTech東京のオフィスは解放感があり、レイアウトにもたくさんの工夫が凝らされていて印象に残った」と語ってくれた。

 2025年度の「Girls Meet STEM in TOKYO」夏休みオフィスツアーの第1弾は、7月19日から8月17日まで、第2弾は8月18日から8月31日まで開催され、GovTech東京をはじめとしたさまざまな企業・法人のオフィス見学やワークショップ、STEM分野で活躍する社員との座談会等に参加できる。募集締め切りは第1弾が6月24日、第2弾が7月25日。参加対象は、都内在住または在学の女子中高校生で、参加費は無料(会場までの交通費等は参加者の負担となる)。応募は「Girls Meet STEM in TOKYO」のWebサイトで受け付けており、定員を上回った場合は抽選となる。

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https://edtechzine.jp/article/detail/12614 2025/06/12 15:30

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