「どう対応すればいいのかわからない」から恐怖を感じる
一郎
話を戻すと、休み時間の活用について不安に思っている先生方は、休み時間の子どもたちの活用は「何か得体の知れない危険物をずっと触っていること」に対しての恐怖感があると考えられるよね
私
そうですね。危険性について唱えている先生もいらっしゃいました
一郎
そうそう。じゃあなぜ、同じ休み時間に外の遊具で遊ぶのは大丈夫なんだと思う？
私
外の遊具も確かにケガの危険性はありますね。でも、それは子どもたちがどのような動きをするか、そしてケガをしてしまってもどう対応すればいいか、想定ができたり、知識として持っていたりするから……あぁ、そういうことですか！
一郎
そういうことだよ。遊具だと対応の仕方を知っているから許容できる。でもICT機器の場合、その「何かが起きたときにどうすればよいのか」がわからない。だから不安なんだ。休み時間に子どもがYouTubeを見ていたら何か危ないことに巻き込まれるんじゃないかとか、ゲームばかりしていると学びが阻害されるんじゃないかとかね
私
だからこそ、そこを解消するために対話が必要なんですね。「何が怖いのか」「どんなトラブルが考えられるのか」を共有することが大切だと
一郎
その通り。そして、その上で「どうすれば安心できるか」を一緒に考えることが重要なんだよ。例えば、休み時間の端末活用に関するルールを作るとか、「最初は」制限を設けてみるのもありだと思う。子どもたちがルールを守っている姿を見れば、少しずつ不安も減るからね
私
なるほど。でも、一度ルールを作ってしまうと、ずっとそのルールに縛られてしまうんじゃないですか？ 徐々に自由度を高めていくのが理想だとは思うんですが、どうやって移行すればいいんでしょうか
一郎
それはとてもいい質問だね。確かに、最初はルールを定めてもよいけれど、徐々に子どもたち自身が「何のために使っているのか」を考えられるようにすることが目標だよ。そのためには、ルールを見直すタイミングを設けるといい。例えば、学期末に子どもたちと一緒に振り返りをする時間を持つとかね。子どもたち自身が「この使い方はよかった」「このルールはもういらないかな」といった意識を持てるようにサポートしていくんだ