Neatframeは、愛媛県宇和島市の小中学校において、オンライン授業の充実と推進を目指して行われた実証実験に基づく、教育現場での導入事例を9月12日に発表した。
宇和島市は、少子化と人口減少にともなう児童数の減少や、複式学級の増加、不登校生徒の増加といった教育現場の課題に直面している。とりわけ、複式学級における児童間のコミュニケーション不足や、サポートルームにおける不登校生徒向けのオンライン授業における、視聴環境の改善が重要な課題となっていた。
これらの課題に対処すべく、宇和島市教育委員会はオンライン授業導入推進の一環として、児童生徒が場所にかかわらず学習に参加できるような環境整備のための取り組みを開始した。同取り組みでは、宇和島市とZVC JAPANが締結している包括連携協定に基づくとともに、Neatframeからの技術協力を得て、Zoom RoomsとNeatデバイスを用いたオンライン授業の実証実験を実施している。同実証では、リアルタイムでのインタラクティブな授業が可能なオンライン環境を構築して、教育の質を向上させるための新しい手法が模索された。
Neatデバイスは、シンプルな操作性と高度な機能を併せ持ち、教育現場においても直感的に使用できる点が特徴。Zoom Roomsとの連携を通じてオンライン授業の準備や進行が容易になり、教員の負担軽減にも寄与したという。
とりわけ、Neatデバイスの「シンメトリー機能」や「ダブルトーク制御機能」は、オンライン授業における児童生徒の表情や声をリアルに捉えて、対面授業に近い学習体験の提供を可能にした。「シンメトリー機能」は、1基のカメラで複数の児童生徒一人ひとりを自動的に分割・拡大表示して、それぞれの表情やジェスチャーを見やすくする。これにより、オンラインで接続した複式学級においてそれぞれの児童がまるで対面して会話をしているような効果を発揮する。また「ダブルトーク制御機能」は、複数人が同時に話しても音声が途切れることがなく、自然な双方向のコミュニケーションを実現した。
同実証において、宇和島市の複式学級ではZoom RoomsとNeatデバイスを用いたオンライン授業が導入され、地域や学校を超えた意見交換や発表の場が充実している。「シンメトリー機能」を活用して遠隔地にいる児童生徒ともリアルタイムで顔を合わせつつ意見を交換でき、従来の対面授業に近い学習環境が提供された。それとともに、児童間の交流が促進され学習の質が向上したとの報告が寄せられた。
不登校生徒向けのサポートルームにはNeat Frameが導入され、授業の視聴環境が大幅に改善されている。これまではタブレット端末が用いられていたが、音声や映像が不十分だったため生徒たちの授業への集中度が低下していた。今回、Neatデバイスの使用によって音質や画質が飛躍的に向上し、ストレスのない授業参加が可能になった。不登校生徒は「より集中できるようになった」と述べており、学習意欲の向上が確認されている。
一方、教員からはNeatデバイスの操作の容易さが高く評価された。オンライン授業の準備や進行をスムーズに行うことが可能なので、技術的な負担が軽減され授業に集中しやすくなる。また、リアルタイムでインタラクティブな授業ができるようになったことによって、児童生徒との円滑なコミュニケーションが可能になっている。
以上のような実証を通じて、Neatデバイスがオンライン授業において非常に有効であることが実証された。今後は、宇和島市での実証結果を踏まえて、オンライン授業の本格的な導入を進めていくとしている。
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