Receptは、同社が提供する教育機関向けソリューション「学ナビ」において、デジタル学生証の発行を無償で行うことを、7月3日に発表した。これにより、初期費用やランニング費用を含め教育機関は金銭的な負担なく学生にデジタル学生証を発行することが可能となる。
同社は、デジタル証明証の発行基盤「proovy」を開発している企業。モバイル運転免許証や新型コロナのワクチン接種証明書の発行にも利用されている「DID/VC」技術をコア技術として取り扱い、最新の国際規格に準拠したデジタル証明証を発行している。この技術を活用し、教育機関向けソリューション「学ナビ」を開発・提供した。
「学ナビ」は、デジタル学生証の管理機能、学校と学生のコミュニケーション機能、出欠管理機能、学生一人ひとりのデータ統合管理などを備えた、教育現場のあらゆる業務をDX化するサービス。
同社は「学ナビ」の提供を開始し教育機関と会話する中で、多くの教育機関が「学生向けアプリにかける予算がない」という現状に悩んでいることに気付いた。
デジタル空間での経済活動やコミュニケーション活動が拡大する中、学生証をデジタル化して持ち歩くことへのニーズは急速に高まっている。これは、学生の利便性を高めるほか「学生の安全を守る」という側面もある。
例えば学生証の写真を送ってデジタル上で学割を受ける際、本来「学生である」ことだけを証明すればよいシーンで学生は学生証の写真を送り、結果として多くの個人情報を相手に渡している現状がある。
フィッシング詐欺やSNSで知り合った他人との情報交換が身近になった現代社会において、このような「不要な個人情報を渡したことでトラブルに巻き込まれる」リスクは身近なものとなっている。しかしデジタル証明証は、必要な情報だけ(例えば学生であるという事実だけ)を提示することが可能であり、不必要に個人情報を渡すプロセスを改善できる。
このようなメリットをもたらすデジタル学生証アプリを、学生自身とは直接関係がない事情によって手にできない学生がおり、この点に同社は強く課題意識を持っている。このような課題に対応するため同社は、完全無償でのデジタル学生証の発行に踏み切った。
先述の通り、同社はデジタル証明証の発行基盤を有している。自社技術基盤を活用することで発行にかかる費用が削減されるため、この役割を担える企業として社会的責務を果たしていく。
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