日本総合研究所は、小中学生を対象にした同社の社会体験カリキュラム「子ども社会体験科 しくみ~な」が、東京都渋谷区で2024年度から本格化される探究「シブヤ未来科」の一環として、同区内の小学校2校に試験的に導入されることになったことを、4月18日に発表した。
「シブヤ未来科」は、月~金曜の午後の授業時間すべてを「探究学習」にあてるという、文部科学省の「授業時数特例校制度」を活用した取り組みになる。子どもたちは、他者と協働的に問題を解決したり、問題解決の過程を自ら振り返ったり、方法や手順を的確に記述したり伝え合ったりする探究的な学びに、特に注力することになる。学校内だけでなく、地域や企業、専門家の協力を得つつ、渋谷の街全体を学びのフィールドとして子ども主体の学びを実現していく。子どもたちは、豊かなホンモノ体験を通して自ら問いを立てたり、仲間と協働して新たな価値を創造したり、主体的な探究活動を充実させたりすることで、これからの予測困難な社会で生き、働いていく本物の学力を身に付けることを目指す。
今回「子ども社会体験科 しくみ~な」は、「シブヤ未来科」のコンテンツのひとつとして試験的に導入される。同カリキュラムでは、子どもたちが学内授業と体験施設での社会体験活動を通して、世の中の仕事が関連し合いながらそれぞれ役割を果たしていることを学び、社会全体の仕組みを理解する。
体験施設では、子どもたちがそれぞれ異なる仕事に就いて、他の子どもたちとやり取りをしつつ業務を行うロールプレイによって、社会・経済・仕事の仕組みを主体的に学んでいく。あらゆる仕事および一人ひとりの役割が、社会において重要であることを体感できるよう、ロールプレイは自分が欠けたらほかの仕事も回らない仕組みとなっている。また、投票の権利や納税の義務も学べる。
なお体験施設には、地域に存在する企業や公的機関などが出展し、体験施設での仕事は地域における団体の仕事をベースとしている。大人は子どもたちが失敗しないように助けるのではなく、信じて見守るという環境で、子どもたちは実際の仕事に近いやり取りを、ロールプレイという安心して挑戦可能な環境の中で体験できる。
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