AMATELUSは、産業機械やロボット工学などの技術分野における習熟度の向上およびシステムの安全評価向上を目的として、同社の自由視点映像およびマルチアングル映像配信システム「SwipeVideo(スワイプビデオ)」が、長岡技術科学大学に導入されたことを3月5日に発表した。
長岡技術科学大学は、動画の普及にともない、授業内容を見返せるようアーカイブ化を進めている。しかしながら、ヘアーカットやネイル、時計職人の技術や産業機械のオペレーションなどの実技や操作は、同時に複数箇所を意識しながら進めていくため、単アングル映像のみでは情報量が足りないことや、学生一人ひとりの「わからない箇所」が異なるため、再指導における教員の稼働逼迫という課題があった。「SwipeVideo」はこの課題を解決すべく導入されている。
同学では、「SwipeVideo」最大の特徴である視聴者が自由にカメラアングルを切り替える機能を利用して、学生自身の能動的な視聴に基づいて機械操作の習熟度向上を図るほか、学生が自らシステムの安全評価を行うためのソリューションとしても活用されている。
同学の三好教授(工学博士)は、自身の専門分野である制御工学・ロボット工学・安全工学を軸にしたロボットの開発にあたって、
「機械動作のオペレーションや確認には、一方向からだけでなく、多方向からの観察が必要になります。設計通りの動作ができているか、不具合は生じていないか、など、三次元的に判定する必要があるのです」
と語る。ただし、その判定のための映像はCGで合成されたものではなく、実写の映像でなければならないという。その理由について三好教授は「CGで補完されてしまうと、正確な判断ができなくなるため」と述べており、
「実写で簡単に一斉同期撮影ができる『SwipVideo』を活用することで、どの方向においても安全性が確保されているか確認できるため、ロボットや工作機械のリスクアセスメントにも大変役立つと考えております」
とのコメントを寄せた。
「SwipVideo」は、AMATELUSが開発・提供する複数台のカメラ(台数無制限対応)で撮影された映像を、視聴者がスワイプすることでWeb上(またはアプリ内)にて自由に視点をスイッチングしつつ視聴可能にする配信システム。従来は、映像処理負荷や配信負荷の高さから、ブラウザ上での配信や再生は難しいとされてきた自由視点映像、およびマルチアングル映像をクラウド配信できる独自開発技術となっている。
Webの技術(HTML5)だけで動作するため、視聴者側は面倒なアプリインストールが不要。また、再生中(スロー中、ズーム中、停止中も可能)の映像は、任意のタイミングで画面をスワイプするだけで視点を自由に切り替えて視聴できる。
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