カタリバは、探究学習のカリキュラム開発や組織体制の構築をサポートする「探究スタートアップラボ」について、2025年度の参加校応募を6月20日まで受け付けている。同プログラムは探究学習を担当する教員が対象で、2回目の説明会は6月2日に開催予定となっている。

同法人は、東日本大震災で甚大な被害を受けた福島県に「地域社会の変革者を育成する」という理念のもと建学された「ふたば未来学園」へ、2017年からコーディネーターを派遣している。同校は、探究学習を軸に置いて地域との連携を重要視した新しいカリキュラムを重視しており、両者は探究授業の指針になる教材やワークシートを協働開発してきた。同法人は、授業の指導計画を同校の教員とともに考えて、各探究班ごとにオリジナルな教材を作成・活用しつつ、探究学習を進めるサポートも行っている。
また、同法人におけるそのほかの事業でも、探究学習の教員向け事例勉強会などを開催している中で、参加者から「事例は素晴らしかったが校内の体制が整っていなかったり、教員同士の目線合わせができておらず、活かせるイメージがない」「一部の先生の属人性に頼っている」といった声が寄せられた。勉強会の場には探究担当の教員が1人で参加していることが多く、組織的に探究学習に取り組むことが難しいという学校の構造的な課題にも気づいたという。
さらに、生徒たちの探究学習をサポートしている高校教員340名に対して、2023年12月から2024年1月にかけて行った「探究学習の推進における課題調査」では、対象の約92%が探究学習の推進に関して「課題を感じている」と回答している。

そこで同法人は、2024年度に学校教員向けの研修プログラムとして「探究スタートアップラボ」をスタート。これまでの取り組みから「教員でコアチームを構築して組織的に探究のカリキュラム開発をするということが鍵なのではないか」という仮説のもと、全国から募集した13校の教員を対象に、3回にわたってワークショップ形式の研修を実施した。1つの学校から複数人の教員が参加して、カリキュラム・マネジメントの方法や学校の中で組織的に探究学習を推進していく方法を、さまざまな学校の教員と実践的に学ぶことを重要視している。

2025年度の「探究スタートアップラボ」参加校募集は、高等学校関係者、県市町村自治体の教育委員会関係者を対象に行われる。管理職を含む3名以上での参加、および全3回の研修への参加が必須となる。
応募にあたっては、説明会への参加またはアーカイブの視聴後に資料請求を行った学校へ、応募方法の詳細を送付する。2回目の説明会は6月2日19時〜20時を予定しており、参加申込締切は5月31日20時となっている。

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