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教育現場でのICT活用事例紹介(小学校)

メタバースで子どもたちのモチベーションと受講率が向上! 長崎県西海市「放課後オンライン学習会」の工夫


 西海市は長崎県の西側に位置する人口約2万5000人の市で、多くの地方自治体と同様に人口減少の課題に直面している。学校の統廃合も進んでおり、現在、市内には小学校が10校、中学校が6校所在する。人材不足の課題からDXの推進に取り組む同市は、教育現場でもICTの活用が盛んであり、日経BPから2023年1月に発表された「公立学校情報化ランキング」で小・中学校ともに長崎県内の2位に入った。令和5年度からは民間学習塾の講師が授業をする「放課後オンライン学習会」を実施し、当初は受講者の減少に悩んでいたものの、メタバースを取り入れたことによって子どもたちからも好評を得ているという。この取組の詳細について、西海市教育委員会 学校教育課の安田一義氏に話を伺った。

西海市教育委員会 学校教育課 副参事 安田一義氏
西海市教育委員会 学校教育課 副参事 安田一義氏

放課後に学びの機会を提供する「放課後オンライン学習会」

──「放課後オンライン学習会」は、どのような取り組みなのでしょうか。

 西海市の小学4年生と中学1年生に向けて、毎週水曜日に実施しているリアルタイムのオンライン授業です。受講費は無料で、後日アーカイブ動画も視聴できます。家庭教師や個別指導塾を運営する福岡市の民間学習塾と提携し、塾の講師に授業を担当していただいています。教科は小学校の算数と中学校の数学です。本市の小学4年生と中学1年生は、それぞれ約200名いるため、合計約400名が受講の対象です。ただし、あくまで任意参加としています。

 2023年の6月から始まった取組で、当初はZoomのみを使って実施していましたが、9月以降はメタバースを組み合わせて授業を実施しています。

 西海市は全国平均や長崎県内の平均と比べて正答率が低く、学力向上の課題を抱えています。また、放課後の学習時間が短いという調査結果から、都市部よりも学習塾が少ない環境ゆえに、放課後の学びの場が不足していることが原因のひとつではないかと考えました。この問題を解決するため、放課後にオンラインの学習環境を提供することにしました。

 そして、民間企業の力を借りることができないかと調べていた際に、オンライン授業に取り組んでいる学習塾の存在を知りました。私たちから問い合わせて、放課後オンライン学習会が実現したという形です。1つの自治体すべての学校を対象にした取組は前例がなかったそうで、学習塾にとっても全国初の取組と聞いています。

──小学校4年生と中学校1年生の2つの学年を対象にしているのはなぜでしょうか。

 まずは学力向上の成功事例を作ろうという、教育委員会としての方向性を持ったからです。全学年で一気に学力を向上させることは難しいため、まずは成功事例を作り自信をつけて、それを他学年にも展開していこうとの考えです。長崎県では小5と中2で県の学力調査が実施されるので、そこで取組の成果を検証することができるように、まずは小4と中1を「学力向上重点学年」に設定しました。

 なお任意参加としたのは、放課後に習い事やほかの塾に通っている子どももいるため、強制はできないという観点からです。加えて、任意参加でも無料で福岡の塾の授業が受けられるなら、自然と受講者は集まるだろうという見込みがありました。しかし、実際には初回の参加率は40%で、そこからも徐々に下がっていってしまいました。

──受講率が低下した原因についてはどのように考えていらっしゃいますか。

 授業後のアンケートや学校からの声を分析すると、3点の要因があったと思います。

 1つ目は、授業を行う配信環境が不安定だったことです。オンライン学習の経験があまりない小学4年生が1人でZoomを扱うのは難しく、また運営側も不慣れであったため、「ミュートにしてください」と呼びかけても対応できなかったり、ずっとノイズが入ったまま授業が進まなかったりしました。

 2つ目は、授業を見ていた学校の先生からも声があったのですが、授業のスピードが速く、内容が難しいということ。講師の方が「この問題を1分で解いてください」と子どもたちに投げかけていたのですが、子どもたちにとって1分で問題を解くのは難しいことでした。

 3つ目に、やはり任意参加であること。参加しなくても特に問題ないので、モチベーションが低い児童生徒はすぐに離れていってしまったのだと思います。

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地道な改善と、起死回生のメタバース

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この記事の著者

岡田 果子(オカダ カコ)

 IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


森山 咲(編集部)(モリヤマ サキ)

EdTechZine編集長。好きな言葉は「愚公移山」。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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