SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

次回のオンラインセミナーは鋭意企画中です。準備が整い次第、お知らせいたします。

EdTechZineオンラインセミナー

EdTechZineオンラインセミナー

EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

教育現場でのICT活用事例紹介(小学校) (AD)

本より手軽、インターネットより正確! デジタル百科事典の活用で「調べ学習」が深まる

海南市立亀川小学校「ブリタニカ・スクールエディション」導入事例

自分たちの調べ学習のノウハウを、後輩に引き継ぐ

 2022年度に6年生を担任していた井戸氏は、さまざまなメディアのメリット・デメリットを調べて分析していく実践として、下級生に向けた調べ学習のデジタルガイドブックを作成することにした。D-projectのメンバーにアドバイスをもらいながら、「インターネット」「本」「ブリタニカ・スクールエディション」の3つのメディアを活用する、6年生の卒業制作「亀川小学校 調べ方ガイドをつくろう」として、授業を設計した。

「亀川小学校 調べ方ガイドをつくろう」の単元の流れ
「亀川小学校 調べ方ガイドをつくろう」の単元の流れ

 「授業は全部で8時間です。最初の1時間は、教頭先生から子どもたちにガイドブック作りの提案をしていただきました。本校は和歌山県で唯一の学校情報化優良校に登録されたことから、『ぜひ、自分たちの調べ方を後輩に引き継いでほしい』と子どもたちに依頼する形をとりました」(井戸氏)

 次の5時間で、これまで自分たちが行ってきた調べ学習の経験を踏まえ、それぞれのメディアでどのように調べるとよいかを分析し、後輩に向けてまとめていった。その際、工夫したのがグループ分けだ。教科書・辞書などを含む紙の「本」「インターネット」「ブリタニカ・スクールエディション」の3グループに分け、さらに担当する学年ごとに「低学年」「中学年」「高学年」と、9つのグループを作成した。

 まずは調べ方ごとに分けた3グループで、それぞれのメリットとデメリットをデジタル付箋に書き、意見を出し合った。次にそれらの意見をまとめ、今度は学年ごとのグループで、それぞれの学年に向いた方法を話し合っていった。

調べる方法・学年ごとに分かれた9つのグループ
調べる方法・学年ごとに分かれた9つのグループ

 「9つのグループに分かれて分析し、最終的に1つのガイドブックを作っていく形を採用しました。ジグソー法に似た方法ですが、このグループ分けによって非常に深い分析をすることができました」と、井戸氏は振り返る。

各メディアの特性を俯瞰的にとらえることが重要

 付箋を活用して意見を出す方法は、井戸氏のこれまでの授業でも行っていた。そのため児童は慣れており、活発に意見が出たという。授業の様子について、井戸氏は「例えば『本』のグループは、ほかのグループよりメリット・デメリットを出すことが難しいだろうと思いましたが、私が考えている以上に、子どもたちはたくさんの意見を出してくれました」と語る。

 「子どもたちには、私が課題として感じていた『とりあえずインターネットで調べてしまう』のではなく、『なぜインターネットを使うのか』ということを常に考えながら、調べ学習をしてほしいと考えています。複数のメディアを用意して、各メディアの特性を俯瞰的にとらえることは、私の中で最も重要なポイントでした」(井戸氏)

 なお、児童から出た意見から有用なものを選び、ルーブリックにしていく部分については、井戸氏が声がけし、サポートを行った。

 こうして丁寧に分析を行った上で各学年の担当ごとにページを作成し、最終的に1冊のデジタルガイドブック「亀川小学校 調べ方ガイド」が完成した。子どもらしいアイデアや工夫にあふれ、動画を入れたり、4コマ漫画風になっていたりと、下級生にわかりやすく伝えたいという子どもたちの思いが詰まっている。

完成したガイドブック
完成したガイドブック

 「ガイドブック作りでは、特に低学年グループが『どこまでできるのか』という線引きに苦労していました。この部分は私自身一番悩み、テコ入れした活動です。他者のレベルを想定するというのは、難易度が高い学習だったと思います」と、井戸氏は振り返る。

 低学年向けのグループがおすすめしているのが、ブリタニカ・スクールエディションの活用だ。子どもたちからは「クリックだけで操作できるから、タイピングができない1年生にもいい」「教科書のように使える」「インターネットに載っていることは難しいけれど、ブリタニカはふりがなもふってあって、わかりやすい」といった意見が挙がった。

 「学年が下がるほどブリタニカ・スクールエディションが有効だという意見が多かったですね。まずはインターネットで調べて、最終的にブリタニカで確かな情報かどうかを確かめる、という結論になりました」

次のページ
「調べ方を自分で選択する」という意識付けができた

関連リンク

この記事は参考になりましたか?

教育現場でのICT活用事例紹介(小学校) 連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

相川 いずみ(アイカワ イズミ)

 教育ライター/編集者。パソコン週刊誌の編集を経て、現在はフリーランスとして、プログラミング教育やICT教育、中学受験、スマートトイ、育児などの分野を中心に、取材・執筆を行っている。また、渋谷区こどもテーブル「みらい区」を発足し、地域の子ども達に向けたプログラミング体験教室などを開催している。一児の...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


森山 咲(編集部)(モリヤマ サキ)

EdTechZine編集長。好きな言葉は「愚公移山」。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


提供:ブリタニカ・ジャパン株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事をシェア

EdTechZine(エドテックジン)
https://edtechzine.jp/article/detail/9666 2023/08/02 10:00

おすすめ

記事アクセスランキング

記事アクセスランキング

イベント

EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

記事アクセスランキング

記事アクセスランキング