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東京書籍など4者、学習者用デジタル教科書から得られる学習履歴の活用に関する共同実証の2021年度の結果を発表

 つくば市教育委員会、東北大学大学院 情報科学研究科 堀田龍也研究室、東京書籍、Lentranceは、2021年10月から行ってきた、GIGAスクール構想による学習者用端末と学習者用デジタル教科書の普及に対応し、学習者用デジタル教科書から得られる学習履歴の活用による指導改善や評価への活用の実現に向けた実証研究の、2021年度の結果を2022年12月27日に発表した。

 同実証は、つくば市立小学校7校、中学校5校を対象に2021年10月~2022年3月末まで行われた。実施教科は、小学校が国語(1~6年)、社会(4~6年)、保健(3~6年)、中学校が英語(1~3年)、技術・家庭(技術分野)となっている。

 学習者用デジタル教科書使用開始直後(10月)と、4か月後(2月)に実施した英語力の調査(Reading、Listening)では、すべての指標で2回目が1回目を上回る結果となった。

 あわせて行われた英語学習に関するアンケート調査では、「英語の学習方法(学習方略)」「教科書観」といった項目では学習者用デジタル教科書の使用前後で大きな変化はみられなかったものの、「英語の学習方法(学習方略)」の項目で「英語の発音練習をする」における肯定的な回答(「とてもよくあてはまる」と「まあ当てはまる」を合わせた割合)が上昇している。授業後に行ったアンケートでも、使用開始直後と4か月後とでは、とりわけ「単語の発音練習をする」「教科書本文の音読練習をする」といった項目で学習者用デジタル教科書の使用が増えると同時に、「していない」の回答が減っており、学習者用デジタル教科書の導入によって発音練習や音読練習に対する意識が高まっていることが明らかになった。

 学習履歴データからは、教育委員会が実施した研修会後に、操作回数、ユーザー数ともに増えていることがうかがえる。

 教科ごとの活用のされ方をくわしくみると、中学校英語では他の教科と比較してデジタルコンテンツ(ネイティブ発音による朗読音声の再生など)の利用が多く、英語科においては朗読音声コンテンツの重要性が高いと考えられる。また、放課後や長期休暇中などにも利用されており、授業中だけではなく家庭学習においても活用されていることがわかった。

 教科書のどの部分を使用したかを表すヒートマップをみると、小学校5年生社会下巻では図版やコラムが多く、小学校6年社会歴史編では本文が多いといった、教科や学年による活用のされ方の違いがうかがえる。また、中学校英語では朗読音声の再生コンテンツよりも、本文の拡大表示の方が多く使われていることも明らかになった。

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