Institution for a Global Society(IGS)は、生徒の潜在的な文系・理系傾向などのバイアスを明らかにする診断ツール「Ai GROW(アイ・グロー)傾向チェックテスト」のデータをもとに、中学3年生~高校3年生における文理傾向のバイアス変化を男女別に分析した結果を、11月2日に発表した。同調査は、2021年10月~2022年8月の期間、3325名に対して行われている。
調査結果によれば、中学3年生の時点では男女ともに理系傾向であったが、高校1~2年生にかけて女子は男子よりも文系のバイアスが急激に強まっていることが明らかになった。
同結果を、男女別の数学点数の推移やステレオタイプに関する先行研究を踏まえて考察すると、小学4年生や中学2年生時点では数学点数に男女差はないものの、高校3年生になると点数に男女差が出ていることから、文理選択を迫られる高校1年生の時期から2年生の時期に「女子は文系」というバイアスが、環境(教員や保護者からの声掛けなど)といった要因で強まり、実際に高校3年生で点数に影響が出ている可能性が考えられる。
「文理傾向バイアス」は、自身では意識していないものの、脳が潜在的に「自分は文系」「自分は理系」と捉えている認知バイアスで、「Ai GROW 傾向チェックテスト」では潜在意識が文系・理系のどちらにどの程度強く結びついているかなどを3分程度で測定し、「文理傾向バイアス」を可視化する。
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