みんなのコードは、Googleの協力の下で実施した、日本国内の大学における情報系学部・学科の実態調査の結果を、6月8日に発表した。同調査は、河合塾より全統模試受験者の志望校データ提供を受けて行われている。
調査結果によれば、国公立大学における情報系学部・学科の志望者数は、2011年の1万2652名から2021年の1万6938名へと34%増加した。一方で、国公立大学前期日程の情報系学部・学科の定員は、2011年の5087名から2021年の5064名と横ばいであり、志望倍率は2.49倍から3.34倍へと上昇。志望者の増加に対して受入定員数が不足しており、私立大学についても同様の傾向となっている。また、情報系以外の理学部や工学部における女子の比率は、2011年から21年にかけて微増しているのに対して、情報系では微減した。
このような調査結果を受けて、みんなのコードは
- 地域間格差の把握
- 情報教育における高校から大学への接続性の確保
- 大学での教育内容の充実
の3点の検討が必要であると訴える。
地域間格差の把握としては、私立大学も含めた調査によって、地域間格差の全容把握を求めている。
情報教育における高校から大学への接続性の確保では、高校段階と大学での情報教育における学習内容の相互理解のために、高校の教員が生徒の適性や興味関心に応じた適切な進路指導ができるようにするとともに、さらに大学の教員が高等学校「情報I」の学習内容を把握した上でのカリキュラム設計の必要性を訴える。
大学での教育内容の充実については、情報系の学部・学科の新設はスタートラインに過ぎず、学生一人ひとりの充実した学びの実現と、社会に出た後の活躍が重要であることから、ジェンダーバランスにも考慮した優秀な教員の確保、卒業後も見据えたカリキュラムの設計などを求めている。
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