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GIGAスクール構想から考える生徒指導

授業中、子どもに1人1台端末を自由に使わせるべき?【GIGAスクール構想×生徒指導】

GIGAスクール構想から考える生徒指導 第5回

 GIGAスクール構想がスタートしたことで、教育はどのように変わっていくのでしょうか。筆者は教育委員会事務局の指導主事として、GIGAスクール構想におけるICT教育の推進や授業改革を担当しています。本連載では、読者の皆さまと一緒に「GIGAスクール構想×生徒指導」について考えていければと思います。第5回では授業での端末の自由な活用について考えてみましょう。

2022年の干支にちなんで……

 2022年が始まりました。皆さま、今年もよろしくお願いいたします。寅年ですね。昨年末、私は虎(寅)を使ったことわざや四字熟語を年賀状に書こうと考え、辞書で調べていました。

虎の子

虎の威を借る狐

虎視眈々

虎の巻

虎を野に放つ

など……

 このようにいろいろなものがあり、今回頂いたご意見に関係するものも見つかりました。

 授業中、端末を自由に使わせると、子どもは何をするかわかりません。ゲームやチャットをする子どももいました。そのため、端末を使うタイミングを教員が指示しています。

 ちょっと大げさかもしれませんが「端末を自由に使わせる」ということは「虎を野に放つ(意味:猛威を振るう者の力を発揮できるよう自由にさせることのたとえ、「goo辞書」より)」に近いと言えます。虎(端末を手にした子どもたち)を野に放つ(自由にする)とどうなるのか、そもそも野に放っても大丈夫なのか。今回は、端末の活用場面や方法について考えてみましょう。

端末使用時、学校で見かける光景

 私は仕事柄、たくさんの学校で授業の様子を見学しています。その中で、次のような場面に遭遇することがあります。

教員「それでは今から端末を開けてください。電源を入れて、ログインしてください。できた人から、デスクトップから○○(アプリ)を選んで立ち上げてください」

子ども(自分で端末にログインして操作をする)

子ども「先生、クルクル回って、うまく使えません」

子ども「先生、私も同じです」

教員「えぇ、それは困ったな……どうしよう」

 同じような経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。GIGAスクール構想が前倒しで始まった結果、整備が追い付かず、ネットワークの速度が遅いことから、問題が発生していたのしれません。また、端末のスペック不足によって、ログインやアプリの起動に時間がかかってしまうこともあったかと思います。

 ですが、ネットワーク環境やスペックの問題とは別に、先ほど紹介した「使いたいときに端末が使えない問題」が発生することがあります。

 それは端末の「更新プログラム」によって引き起こされます。普段から端末をあまり活用していない場合、OSや設定によっては端末を立ち上げた際に大量の更新プログラムが一気にダウンロードされ、インストールが行われることがあります。日常的に使っていれば更新プログラムをため込むこともないため、この問題は教員の指示があるときにのみ、端末を使用するケースで起こりがちです。

 さらに全員が一斉に更新プログラムをダウンロードした結果、学校のネットワークがより不調になってしまうこともあります。そして、次のような悪循環が生まれてしまうのです。

活用を制限する

⇒ 端末がうまく動かない

⇒ 子どもの学びが深まらない

⇒ 子どもも教員も嫌になる

⇒ 活用を制限する

⇒(以下繰り返し……)

©ユキ - stock.adobe.com
©ユキ - stock.adobe.com

 端末の活用を制限する背景には、今回のご意見にもあった通り子どもたちの指導が増えてしまうなどの懸念があるからでしょう。心配する気持ちもよくわかります。

 でも、一度立ち止まって考えてみませんか。本当に、子どもたちが学びに向かえない理由は、端末があるからでしょうか。授業中の子どもたちの姿について考えてみます。現在の姿と以前の姿の比較です。

【例1】授業中にほかのことをしている子どもの姿

  • 以前:ノートや教科書に落書きをする
  • 現在:端末で授業に関係ないことを調べている

【例2】授業中に関係ないことをやりとりする子どもたちの姿

  • 以前:授業中に手紙やメモを書いて友だち同士で回す
  • 現在:授業中に端末上のチャットなどでやりとりをする

 これまでも、授業中に学びから遠ざかってしまう子どもたちはいました。私も高校に勤務していた際はそういった生徒と向き会うこともあったので、よくわかります。つまらない授業をしてしまうと、子どもたちは素直に行動で表します。だからこそ、私は自分の授業を見直して、授業改善に取り組むことができました。

 これは、端末の活用においても同じではないでしょうか。授業中、しっかりと学べていないのは、端末のせいでも、子どものせいでもありません。原因は教員の授業にあるのです。

 何もかも制限するのではなく、「学んでみたい!」と思える授業をできていないこと。ここに焦点を当てて授業改善に取り組むべきではないでしょうか。

次のページ
学びを進化させる、端末が持つ3つの要素

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この記事の著者

吉岡 拓也(ヨシオカ タクヤ)

 神戸市教育委員会事務局教科指導課指導主事。神戸市立高等学校での勤務を経て、現職。  モットーは「委ねる、つなげる、挑戦する」。子どもから、先生から、学ぶことを楽しむ。  神戸市立の学校園に足を運び、GIGAスクール構想における授業・学校改革を支援している。  主な著書に『GIGAスクール構想...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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