エス・エー・アイは、小・中学校の教員を対象に実施した、「学校でのプログラミング教育」に関する調査の結果を12月10日に発表した。同調査は、11月15日~16日の期間に行われ、1019名から回答を得ている。
調査対象者に、プログラミング教育で使用している機材を尋ねたところ(複数回答)、「タブレット端末」(69.8%)がもっとも多く、「パソコン」(41.1%)、「テキスト」(35.8%)がそれに続いた。
使用教材に対する子どもたちの反応や学習状況について、具体的に尋ねた質問では、「新鮮さがあって、楽しそうに活用してる」「タブレット端末を普段から活用することで、進んで調べ学習に活用している」「関心を持ち、試行錯誤している姿がみえる」といった回答が寄せられている。
現在実施しているプログラミング教育は実践的であると思うかを尋ねたところ、「とてもそう思う」は17.7%、「まあそう思う」は48.9%、「あまりそう思わない」は28.6%、「まったくそう思わない」は4.8%だった。
「あまりそう思わない」「まったくそう思わない」と答えた人に、その理由を尋ねた質問では、「内容が難しい。小学生が楽しく簡単に取り組めるようなものを教科書に載せてほしい」「実際どのようなものが社会で使われているか、教員があまり把握できていない。どこを教えればよいか難しい」「生活に活かす場面が少なく感じる」といった回答が寄せられている。
実践的なプログラミング教育をするためには、何が必要だと思うかを尋ねたところ(複数回答)、「プログラミングに関する知識が豊富な指導者」(48.4%)が最多となり、以下「子どもが楽しめる学習方法」(44.0%)、「将来的に社会で活かせる有用な知識」(43.7%)が続いた。
現在のプログラミング教育について、教員として抱えている課題を具体的に尋ねた質問では、「チームズなどチャット機能を使った児童間のトラブルへの対応」「ゲームをする子たちがいる」「ICT機器の利用状況が各家庭によって異なるため、学校内でも格差が生まれてしまう」「プログラミングと、機器の操作の知識不足」などの回答が寄せられている。
これらの課題に対して、講じている対策を具体的に尋ねたところ、「外部の機関からの出前授業や研修を行ってもらえないか検討している」「ICT支援員から助言ももらいながらの操作習得」「基礎的なテキストから教材を作り上げている」「できるだけ教員がパソコンに触る機会を増やす」といった回答が寄せられた。
現在、学校でのプログラミング教育に関して、地域の企業や団体と連携しているかを尋ねた質問では、「連携する予定はない」(45.1%)がもっとも多く、以下「今後連携していく予定」(38.5%)、「連携している」(16.4%)が続いている。
「連携している」と答えた人に、具体的な連携の内容について尋ねたところ、「月1回の講師派遣」「支援員の方が学校に常駐している」「リモート会議」「機材の提供」といった回答が寄せられた。
プログラミング教育に関して、企業のプロの力を借りるべきだと思うかを尋ねた質問では、「とてもそう思う」(41.8%)と「まあそう思う」(44.4%)を合わせた割合が8割超に達している。
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