MM総研は、国公立および私立の高等学校に対して実施した、1人1台端末環境やネットワークの整備状況などに関する調査結果を、11月12日に発表した。同調査は、9月下旬~10月下旬の期間に行われ、2043校(国公立:1533校、私立:510校)から回答を得ている。
調査結果によれば、私立を除く国公立高校における1人1台端末の配備率は47%で、3月調査(44%)との比較では3ポイント増に留まった。なお、学校単位別では、1人1台端末の配備が完了しているのは、国公立で33%、私立で35%となっている。
都道府県別の端末配備状況をみると、公費を利用した自治体では配備率が高い傾向にある一方で、保護者負担を選択した自治体では配備率が平均の47%より低く、とりわけ大都市圏の自治体では保護者負担で整備を進める方針ながら、現状では未配備台数が多い。
そのほか、「保護者負担」で配備する方針の自治体のうち、保護者への周知、理解の窓口となる学校現場の方針認知には顕著な差があり、未配備台数と同様に大都市圏では特に学校現場の「保護者負担」の認知が進んでいないとみられる。
普通教室で生徒用端末をインターネットに接続する際の、接続品質について尋ねた質問では、私立では「不満」が8%に留まる一方で、国公立では不満が23%と3倍近くに達した。不満の理由としては、「インターネットにつながりにくい」「回線速度が遅く、動画などが活用できない」といった回答が多い。
今後の、1人1台端末化を見据えたインターネット回線について尋ねたところ、「見直す必要がある」との回答が国公立・私立ともに約半数を占めた。
さらに、1人1台化を完了している学校でも、同様に「見直す必要がある」との回答が約半数を占めており、国公立は52%である一方で、私立は37%と低い傾向にある。
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