テックオーシャンは、全国の理工系学生(23卒学部生・院生)を対象に実施した、就活実態に関する調査結果を9月21日に発表した。同調査は、7月29日~8月3日と、8月10日~16日の期間に行われ、528名から回答を得ている。
調査対象者に、新型コロナ禍で、会社や事業所に面接やインターンシップに行くことに、心理的な抵抗があるかを尋ねたところ、「Web中心になりがちなので訪問したい」という回答は、22卒より15.4ポイント増の62.1%で、「心理的に抵抗がある」は19.7%だった。
就職活動における新型コロナウイルス感染症の影響を尋ねた質問(複数回答)では、「旅費、交通費、移動時間を削減できてよい」「普通よりも多くの企業の説明会に参加できそう」「Web面接が増えて、やりやすくなる(緊張しにくいなど)」が上位を占めた一方で、「Web中心となり応募企業の実態、雰囲気を感じにくくなる」が2位にランクインしており、オンライン就活への不安も明らかになっている。
新型コロナウイルス感染症の影響という観点から、大学での学業や研究と就活の両立はどうなりそうかを尋ねたところ、「Webで就活を効率化して両立しやすくなる」が22卒より19.0ポイント増の60.0%に達した。
就職先を決めるうえで重視したい点を尋ねた質問では、「給料、待遇」「福利厚生」「勤務地」が上位を占めている。前年同時期の調査では、「給料・福利厚生」「勤務地」が上位だったものの、7月調査では「社風、社員の雰囲気」「仕事にやりがいを感じられそうだから」「興味のある業界だから」が上位を占めており、就活初期とは異なる。
絶対にゆずりたくない「必須条件」、必須ではないがあれば嬉しい「希望条件」をそれぞれ選んでもらったところ(複数回答)、「必須条件」「希望条件」ともに「勤務地が希望できる」が最多となり、「必須条件」では「スキル」「仕事内容」「評価」に関する項目が上位となった一方、「希望条件」では「勤務地」に関する項目が上位4つのうち3つを占めた。
企業とのWebを通しての交流について、就活初期としてはどれが参加しやすく、うれしいかを尋ねた質問では、「丁寧に人事部担当者に対応してもらえる個別面談」(29.7%)を挙げる回答が多く、「リクルーターとの個別面談」(14.8%)、「リクルーターや人事部との小規模座談会」(12.1%)を合わせると、面談や座談会を通じて社員の生の声を聞く機会を望む声は56.6%に達している。
「匿名制の会社説明会」に対しては、「匿名なので気軽に参加することができるため」「就職初期では、沢山の企業を見たく、実名よりも匿名の方が質問などで安心できるから」「志望度に関わらず様々な業界を見たいため」といった回答が寄せられた。
「丁寧に人事部担当者に対応してもらえる個別面談」に対しては、「実際に会社に行くことが難しいため、社風などを感じる機会が少ないので人事担当者に色々聞ける機会が欲しいから」「Webだとインターンシップが終わった後に話すなどのコミュニケーションが取りにくいため、積極的に個別面談をしてコミュニケーションをとりたい」といった回答が寄せられている。
オンラインと直接訪問を比較して、どちらがよいと感じるかを尋ねたところ、「最終面接」「1次・2次面接」「職場・工場見学」「会社説明会」「インターンシップ」の全項目で、22卒よりも23卒の方が「直接訪問のほうがよい」が多かった。また、「直接訪問のほうがよい」という回答は、「1次・2次面接」で22卒が8.0%、23卒で21.3%と大きな違いがみられる。
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア