ブレインアカデミーは、私立学校(中・高)を対象に実施した、学校運営に関するアンケート調査の結果を、7月12日に発表した。同調査は、5月26日~6月10日の期間に行われ、79校から回答を得ている。
調査結果によれば、生徒募集について、約50%が「やや好調」「好調」と回答する一方で、「非常に厳しい」もしくは「厳しい」という回答も38%に達した。
教員の離職については、「問題視していない」と回答した学校が57%で、人事・教員評価制度の構築によるモチベーションの向上や、労務衛生環境の整備といった働き方改革の進展などによって、離職問題に速やかに対応している私立学校が、相当数あると推測される。
募集広報のイベントは、約7割の学校が対面・オンラインの両方で実施しており、2020年度よりもやや増加した。
塾・小中への訪問活動は、2020年調査では約10%の学校が「実施しない」と答えていたのに対して、2021年は「実施しない」という回答が大幅に低下し、通常通り実施する学校の割合が増えている。
募集広報イベント実施時の、新型コロナウイルス感染症対策としての工夫としては、事前予約制の導入、イベント回数の増加、個別見学会・面談の充実などが挙げられた。また、新型コロナウイルス感染症対策以外での工夫としては、生徒の探究活動の一環として生徒主体の募集広報活動の実施、体験型イベントの充実、地元紙へのプレスリリースやタイアップ記事の掲載といった工夫が行われている。
現在、通常通り対面で授業を実施している学校は約9割に達しているものの、学校によっては現在も対面とオンラインの授業を併用している。ICT機器の整備状況では、全生徒がノートパソコンまたはタブレットを保有していると回答した学校が2020年調査よりも大幅に増えており、この1年でICT機器の整備が急速に進んだことが明らかになった。
生徒が進路決定するうえで重視すべきことについて、自由記述形式で尋ねた質問では、「将来ビジョン」「自己分析」に関する内容が多くみられる。また、近年の進路決定の傾向や、気づいた点としては、「消極的な進路選択」「地元志向」「推薦入試希望の増加」といったキーワードが多くみられ、本来教職員が図りたい進路支援との乖離が生じ、進路指導が難しい状況であることがうかがえる。
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