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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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いま求められる「学習コーチング」とは?

コロナ禍で広がる自宅学習への不安――受験生の間で利用が広がる「コーチング」とは?

いま求められる「学習コーチング」とは?【前編】


 皆さまは「コーチング」という言葉をご存じでしょうか? コーチングとは、授業の内容を教える「ティーチング」と異なり、学習の進め方などに関して相談・アドバイスや確認を行うことです。コーチングは受験業界を中心に、現在の日本の教育業界に大きく広がりを見せています。そこで今回は、前後編にわけてコーチングの効果と事例を詳しく紹介します。

学習を取り巻く環境の変化により求められている「コーチング」

 現在、教育業界では学習の個別最適化を目指した取り組みが多く行われています。例えば、政府が推し進めるGIGAスクール構想では、学校へのITツールの導入が注目されがちですが、その主要な目的の1つは学習の個別最適化です。具体的には、個別の学習データを端末に記録することで、一人ひとりに合った学習を進めようとしているということです。

 コーチングもこの学習の個別最適化を目指すためのものです。生徒個人によって、持っている学習の課題は大きく変わります。それは、科目ごとの得意不得意であったり、学習に対する姿勢の問題であったりします。コーチングとはそれぞれの生徒と個別で向き合い、学習の計画や学習のやり方について組み立てることで、各生徒に最適な学習を支援する指導方法です。

自ら受験勉強をできるよう支援する「学習コーチング」とは

 今回は前後編で、コーチングの中でも私たちの塾で行っている受験向けのコーチングについてお伝えします。

 コーチングではコーチがアドバイスをして答えを与えるのではなく「生徒から答えを引き出す」ことが基本です。しかし、現在受験業界で普及しているコーチングでは、生徒にアドバイスを行うことも多くなっています。本記事では、受験向けにアドバイスを行うことも含めてコーチングについて解説します。

 まず、具体的に受験向けコーチングで行う指導の内容について説明します。基本的に、コーチングは週1~月1回の面談を定期的に行うことが中心です。面談は以下の3つの内容について話し合いを行います。

前回の面談期間からの学習進捗の確認

 「計画通り学習を進めることができたか」「計画通りに行かなかった点があればなぜか」などを確認します。

学習の悩みの解決を図る

 計画通りやったが身につかない点や、理解するのが難しい点など、学習を進める中で発生した悩みについて解決できるよう相談を行います。

次回の面談までの学習計画を立てる

 前回の計画の進捗とこれまでの学習の悩みなどを踏まえて、学習計画を作成します。

 また、面談の実施以外にも学習時間を管理する仕組みや、わからないことがあればすぐに聞くことのできる環境を作ることができると、学習効率はさらに上昇します。

 では、このように学習コーチングを行うことでどのようなメリットが生まれるのでしょうか。私たちは、大きく分けて以下の3つのメリットがあると考えています。

(1)どのような教材を使っていくかなどの指針を立てられる

 多くの生徒は勉強を行おうと思ったときに計画を立てない、もしくは大体の感覚で計画を立てることが多いです。

 コーチと面談を行い自分の学習の課題に向き合った上で、どのような教材を使うかを決定することができれば、学習の指針を立てて効率的な学習を進めることができます。

(2)個別の課題に合わせた学習計画を作成できる

 学習計画を立てる際にインターネットなどの情報を利用することも可能ですが、それでは本当に自分の課題の解決につながるかどうかを判断することが難しいでしょう。

 コーチとの面談で自分の課題を認識した上で計画を立てることにより、さらに成長できる学習計画の作成が可能となります。また、生徒は「正しい勉強ができているのか」という不安を持たずに学習を進められます。これは結果的に学習内容の定着の効率を高めることにつながります。

(3)計画に合わせて学習を進める中で生じた問題についてもサポートできる

 計画の作成段階から話し合いを行っているため、それらから生じた問題についても的確に対処することができます。特に、学習に関して悩みが出たときにすぐにチャットなどで相談できる環境が整えられるといいでしょう。

 このようにコーチングを行うことによって、学習時間の大半を占める自主学習の質が大きく高まることが期待されます。

次のページ
教育先進国オランダが実施する「イエナプラン教育」での学習コーチング

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この記事の著者

古橋 慧士(株式会社Builds/スタディコーチ所属コーチ)(フルハシ ケイシ)

 東京大学文科三類に所属。大学受験時には対面の予備校などに通うことはせずに勉強を行って、東京大学文科三類に首席点で合格した。現在はオンライン個別指導塾であるスタディコーチにコーチとして所属しており、文系の生徒を中心にコーチング指導を行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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