旺文社は、全国の国公私立高等学校を対象に実施した、高等学校におけるICT機器・サービスの導入状況および活用の実態に関するアンケート調査の結果を、2月24日に発表した。
同調査は、2020年12月上旬~2021年1月上旬の期間に行われ、1313校から回答を得ている。
調査対象校に、導入・使用されているICT機器を尋ねたところ、「大型提示装置(電子黒板・プロジェクターなど)」が81.2%に達している。さらに生徒が使用する端末の導入率は、「生徒用のPC端末(タブレット型)」(52.4%)が過去5年間の調査を通してはじめて半数を超えた。「生徒用のPC端末(ノート型)」(24.0%)と合わせたモバイル使用が可能なICT端末の導入率は62.1%となっている。
無線ネットワークの整備状況では、対象を校内のいずれかのエリアとした場合、全体の72.3%が「使用できる」と答えている。前年までトップだった「有線でのみネットワークを使用できる」の割合は19.0%と減る一方で、「校内のどこでも無線のネットワークを使用できる」(22.0%)、「校内の通常教室で無線でのネットワークを使用できる」(23.9%)が2019年度調査からどちらも倍増した。
高等学校における、生徒の私物端末を教育利用する「BYOD」も広がっており、「生徒の私物端末(スマートフォン・PCなど)」は29.7%に達している。また、校内における生徒の私物端末の使用制限状況については、「持参を禁止」(3.1%)、「持参の場合は教員側が預かる」(8.6%)、「使用を強く禁止」(32.4%)は前年調査より低下し、「学習などの目的であれば校内で自由に使用できる」(27.2%)は2年連続で増加した。
生徒用モバイルICT端末の配備状況をみると、「生徒1人1台配備」は29.4%に達している。国公立校・私立校別では、「生徒1人1台配備」は国公立校で14.2%、私立校で53.4%だった。
今後、端末の導入予定がある高等学校では、68.5%が「生徒1人1台配備」を見込んでいるが、学校種別で分類すると国公立校で60.8%、私立校で85.6%と、公立校での導入も着実にも拡大していくとみられる。
「休校措置後のICT活用に対する意識の変化」に関する調査では、「以前より大幅に必要性を認識するようになった」(52.3%)、「以前より少しは必要性を認識するようになった」(40.4%)を合わせた回答が9割超となった。
具体的に、ICT導入の必要性を感じたこととしては、「映像授業・動画視聴」(67.4%)がもっとも多く、「リモートでの課題配信」(61.3%)、「オンライン遠隔授業」(57.5%)、「生徒や保護者への連絡」(57.4%)を挙げる回答も多い。
導入した生徒用モバイルICT端末の活用状況については、「十分活用できている」(12.0%)が前年調査より倍増したものの、「あまり活用できていない」(30.3%)、「まったく活用できていない」(3.1%)の合計が3分の1を占めている。活用における課題としては、「教員の活用スキルの引き上げ」(83.0%)が過去の調査と同様に最多となった。
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