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GIGAスクール構想で変わること、保護者ができることは何か? ICT機器で広がる「学びの可能性」

BenQのアイケアモニター「GW2480T」/「GW2780T」の活用【為田裕行氏インタビュー】

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2020/09/14 07:00

 GIGAスクール構想が実現する「1人1台」環境によって、学校での学びが大きく変わろうとしている。それに伴い、家庭での学習スタイルも変化するのは想像に難くない。しかし、変わりつつある学びに対して、家庭ではどんな対応をすればいいのか、何を準備すればいいのか、とまどいを感じている保護者の方も多いだろう。そこで、フューチャーインスティテュート株式会社 代表取締役の為田裕行氏に、「教育コンサルタント」と「保護者」の2つの視点からお話をしていただいた。さらに、家庭でのICT活用を発展させる道具のひとつとして、BenQの教育向けモニター「GW2480T」と「GW2780T」を実際に使っていただき、その感想を伺った。

フューチャーインスティテュート株式会社 代表取締役 為田裕行氏
フューチャーインスティテュート株式会社 代表取締役 為田裕行氏

子どもたちの学びが深まり広がってこそのICT機器

――為田さんは、教育コンサルタントとしてどのようなご活動をされているのでしょうか。

 教育委員会や学校、塾などに新しい授業を行うためのお手伝いをしています。その方法もいろいろで、教員研修から機材・アプリの選定、授業設計、実際の指導まで、幼稚園から大学まで一通りサポートしていますね。

――やはり、最近はICT教育に関するサポートが多いのでしょうか。

 そうですね。「iPadを購入したけれど、どのように使ったらいいか」「GIGAスクール構想に、どのように対応していけばいいか」「教育委員会から研究校に指定されたけれど、どうしたらいいか」といったご相談も多く寄せられています。

 ICT機器が配備されても、結果的に授業が良くなったり、子どもたちの学びが深まったり広がったりしないと意味がありません。そのため、最終的には授業づくりのところまで関わることも多いですね。

 先生方が知りたいのは、ICT機器そのものの機能よりも、「それによって教室がどう変わるのか」「授業がどう変わるのか」ということだと思います。「この授業なら、うちの学校でできそう」「これは、クラスのあの子に刺さりそうだな」といった授業をたくさん届けたいと思っているので、研修設計はもちろん、カリキュラムや発信もその点に注力しています。

 教育コンサルタントとして活動する以前は学習塾の会社で講師をしていました。また、今の会社もコンピュータースクールが母体だったこともあり、4歳から15歳までを対象としたコンピュータースクールの講師も兼任していました。その中で、「デジタルやインターネットを使って、自分の可能性をどんどん広げていける人を増やしたい」と考えるようになりました。

――そうした思いから、公教育の現場へ入っていかれたのですね。

 はい。ですから、今回のGIGAスクール構想は、ぜひうまく活用していただきたいと思っています。公教育でICT機器がそろえば、家庭でパソコンインターやネットを使うことが難しい子どもでも、デジタルに触れて「世界を変えられるかも」「社会を良くできるかも」「遠くの人とつながって楽しい」と感じるきっかけになります。学校でICTに触れた子どもは、大人になったときに選択肢が増えます。早い段階で選択肢を広げてあげたいと考えています。

保護者は学校のチャレンジを応援してほしい

――これまで、家庭ではテストや通知表などによって、学校での子どもの様子や特性を知ることが多かったと思います。3月から5月の休校、そしてGIGAスクール構想によって、家庭での学びはどのように変わっていくと思われますか。

 休校期間を経て家庭での新しい学習や、新しい授業の方法を見つけられた、実現できた学校も多いと思います。一方で気付いたのは、今まで学校で大事にしていた方法以外に、より良い手段があったということです。

 たとえば、授業や宿題の提出などは、テクノロジーを使えばもっと簡単になる部分がたくさん見えてきました。休校期間が終わった後、さらにオンライン学習を追及する学校、元に戻す学校とわかれましたが、多くの保護者は「オンラインでもできる!」と気付いてしまったのです。保護者自身がリモートワークによって体感した部分もあると思います。

 「何のために学校へ行っているのか」「学校として手放してはいけないものは何か」といったことを考えなければいけない時期、ある程度テクノロジーで代替えして整理する時期にきたと感じています。

 「オンラインとオフラインは、だんだんシームレスになっていくだろう」と、ある先生がおっしゃっていました。そうなると、家庭が「学びの場」として学校とつながってくるようになり、家庭にもタブレットやインターネット環境などを準備する必要があることは、これからの課題になってくるでしょう。

――機器もそうですが、学校で任せっきりになっているという問題も挙がっている今、保護者がマインド面で気をつけることは何でしょうか。

 学校のチャレンジを応援してあげることじゃないでしょうか。コロナ禍と同時に、テクノロジーが進化しているという大きな変化もあります。現在は、保護者が学校で勉強していた時代とまったく違うのです。

 ですが、「ドリルは紙じゃないと意味がない」「作文は原稿用紙じゃないと」といった話が出てしまうこともあります。「人に伝わる文章を書く」という目的は、パソコンでも紙でも変わらないはずですが、中には「昔と違うのはおかしい」と先生や学校に伝える方もいらっしゃいます。保護者自身が現在多くのテクノロジーを日常や仕事で使っているのに、子どもや学校にだけ許さないのは違和感があります。

 GIGAスクール構想も「なぜ、1人1台必要なのか」ということを、文部科学省や教育委員会、学校側がもっと伝えなければいけないのかもしれません。ですが、さまざまなテクノロジーの使い方、アウトプットや表現の仕方、勉強方法、考え方など全部ふくめて、「これまでと違うからダメ」と言うのではなく、保護者として応援していかなくてはいけないと思います。

家庭で用意するなら発達段階に応じたICT機器を

――では、家庭にはどのようなICT機器があると望ましいでしょうか。

 学年にもよりますが、スマホ、タブレット、パソコンと、発達に応じてだんだんと、バリエーション豊かなことができるようになっていってほしいですね。そうなると特に、キーボードは必要になると思います。

 この件は「鶏と卵」のようなもので、キーボードを使わない子どもはあまり長い文章を打たないので、なくても困らないのです。でも、ある程度長く書くようになると、フリック入力よりもキーボードを使うほうが早いと考え、そこからローマ字入力を勉強し始める。そのため、環境はあらかじめ用意したほうがいいと思います。

 また、外付けモニターは、置く場所の問題はありますが、家に1台あると便利です。大きい画面で見たほうがわかりやすい情報はたくさんあります。休校期間中も、学校からの教材などを見る際には、大きい画面のほうがより考えが深まると感じました。

 大人も、小さい画面で細かい表などを見るのはストレスに感じて、気付けるものも見落としてしまうことがありますよね。私自身が文章を校正する際も、大画面で作業したほうが質が高くなる気がします。

 また、授業動画も大きい画面のほうが、伝わるものがあります。実際にスマホの小さい画面と見比べてみて、多くの発見がありました。

「大きい画面だからこそ得られる気づきも多くある」と話す為田さん
「大きい画面だからこそ得られる気づきも多くある」と話す為田さん

――発達段階のお話もありましたが、中高生になると社会とつながる学びも増え、「大人がやっていること」に近い活動もあると思います。その際にも、大きな画面があるといいのでしょうか。

 学校では、iPadを使っている子どもたちは、画面をアプリごとに分割する「スプリットビュー」機能を使いこなし、メモとりながら検索を行うことをしています。マルチタスクで使う際は、たくさんの情報を見やすくする大きい画面があるといいでしょう。

――最近は映像制作を行う子どもも増えているそうです。こうした場面でも力を発揮しそうですね。

 はい、それは確かです。子どもたちのほうが、新しい使い方をどんどん見つけていくでしょう。

 学校の図書館のような場所に外部モニターがあれば、自分の端末を持っていってつなげられる。誰かがやり始めたら、「これいいな」と、どんどん広がっていくと思います。映像制作もプログラミングも、「誰かが作ったのを見て面白いと感じ、やりたくなる」という伝播性は、公教育や学校の持つ大きな役割です。すばらしい知識やアイデアを持っている子どもがクラスに1人いると、全体にも良い影響が出ますね。

 最初はスマホやタブレットで始めて、その先に「もっと本格的にやりたいからパソコンが欲しい」「大きな画面につなげたい」といった広がりがあればいいなと思います。

家庭での学びを変えるBenQのアイケアモニター

BenQの教育向けモニター「GW2480T」と「GW2780T」

 為田さんに使っていただいたのは、BenQの教育向けモニターである「GW2480T」「GW2780T」の2台。目の健康に配慮したアイケア機能を多数搭載しており、画面を見続けるオンライン授業や、長時間のリモートワークにも適している。

 2モデルともアイケア機能として、輝度自動調整(B.I.)やフリッカーフリー、ブルーライト軽減機能を搭載し、用途に合わせて、簡単に細かい調整ができる。さらに、色覚に特性がある人向けの「カラーユニバーサルモード」は、学校現場の先生からも高い支持を受けている。

 使用者の身長に合わせて高さ調整も手軽に行えるほか、縦横に画面を変えるピボット機能を搭載しているので、家庭に1台あれば、子どもから大人まで簡単に自分のベストの高さに調整が可能だ。

BenQのアイケア機能搭載モニター「GW2480T」(左)と「GW2780T」(右)
BenQのアイケア機能搭載モニター「GW2480T」(左)と「GW2780T」(右)

――為田さんは、普段24インチのモニターを使っていらっしゃるとのことでしたが、BenQの「GW2480T」「GW2780T」を使ってみて、いかがでしたか。

 「GW2780T」は画面サイズが27インチと、大きくていいですね。先ほど、iPadの「スプリットビュー」について話しましたが、オンライン授業を受けながら、Webで調べものをするなど、1台で複数のことをやりたくなります。ノートパソコンだと、小さい画面ではウインドウが重なってしまいますが、並べて見られる点はとても便利です。

 また、小さい画面では一覧性が低くなってしまうんです。休校期間中にオンライン授業なども行いましたが、全員の画面が見えるほうが、教える側としても進めやすさを実感できますね。

 今回、実際に27インチのモニターを使ってみて、道具によって考え方や作業の仕方が規定されていることを思い知りました。画面が広いと「視界の中に資料と作業内容の両方が入ってスムーズ」など、やってみないとわからない、気付かなかったこともありました。

一度にたくさんの情報を画面上に表示できることも、大きなモニター使用時の強みだ
一度にたくさんの情報を画面上に表示できることも、大きなモニター使用時の強みだ

――道具があるからこそ新しい可能性が広がったり、気付きがあったりするということですね。

 それは、すごく感じますね。道具はやり方次第で使いこなせるのだと思います。

 家庭で使用する場合、例えば子どもがプログラミングをタブレットでやっている際も、モニターに接続すれば、みんなに見てもらうことができます。教室にプロジェクターがあるように、家庭でも外部モニターがあると、保護者の方に見てもらえて子どももうれしいですし、大人も遠くから様子がわかります。未就学児向けのコンテンツからオンライン授業まで、いろいろな使い方が考えられそうです。

 中高生では今後1人1台端末を持つようになり、思考や表現のアウトプットのツールとして使う際、外部モニターに接続することで、目線が上がるのは大きな意味があると思います。子どもは見られるのを嫌がるかもしれませんが、保護者としては何をしているのかわかるのはいいですね。

 保護者目線では、下を向いてタブレットやスマホを使っていると「籠っている」イメージなんです。外部モニターはきちんと目線が上がって姿勢が正されるので、すごくいいですね。

多彩な機能があるからこそ、「使ってみよう」という気付きにつながる

――姿勢もそうですが、子どもの目の健康を考えて、「輝度自動調整(B.I.)」や「フリッカーフリー」「ブルーライト軽減」などの機能もあります。

 実際に設定してみて、「こんな見え方が変わるんだな」とびっくりしました。どのぐらい変わったかはうまく表現できませんが、疲れにくさは確かに感じました。

 モードなどを細かく変えられる点もすごくいいですね。これまでモニターの設定を変更することはあまりなかったのですが、用途別に機能が用意されていると「疲れたからブルーライト軽減モードにしよう」など、きちんと変えようと思いました。

 「高さ調整」もしやすかったです。画面を縦にできる「ピボット機能」もそうですが、簡単に角度や高さを変えられるからこそ、「もっとこういう使い方をしてみようかな」と考えます。子どもの成長に合わせて学習机を変えるように、簡単にモニターの高さを変えられそうです。

140mmの高さ調節機能に加え、角度やピボット、向きも簡単に変更可能。成長期の子どもたちにもフィットした学習環境を用意できる。 140mmの高さ調節機能に加え、角度やピボット、向きも簡単に変更可能。成長期の子どもたちにもフィットした学習環境を用意できる。
140mmの高さ調節機能に加え、角度やピボット、向きも簡単に変更可能。成長期の子どもたちにもフィットした学習環境を用意できる。

 学校で導入されるのは携帯しやすい端末であることが前提なので、子どもたちは使うとき、うつむきがちになってしまうんです。以前訪問した学校では、1人1台タブレットがあるだけでなく、グループごとに外部モニターが用意されていて、グループ活動では自分のタブレットをモニターにつなげて話し合うことが行われていました。プロジェクターより手軽で、大きな画面を使ってみんなで見られるからこそ、グループでの学びも活性化すると思います。

――学校のグループワークのように、家庭でも活躍しそうですね。

 これまで、自宅に外部モニターがあるのは一部の家庭というイメージでしたが、今回の休校やリモートワークで使うケースも増えているのではと思います。

 ニュースを見ながら調べたり、ゲームをしながらそのゲームの情報を集めたりと、学びでも遊びでも、さまざまな使い方が考えられます。個人では一覧性が向上する、複数ならみんなで同時に見ることができますね。

――ありがとうございました。

おわりに

 今回のインタビューでは、ICT機器を活用することで、子どもたちだけでなく、先生や家庭でも「選択肢が増える、可能性が広がる」ということが、重要なキーワードとなった。デジタルが不可欠となった時代において、家庭でもICT機器を備えることで、学びの可能性も広がっていく。さらに、外部モニターを取り入れれば、「画面が大きいと見やすく、考えやすい」「アイケア機能が搭載されているので、用途に合った設定を行えた」といった、学びと健康の両面でのメリットを取り入れることができそうだ。

 BenQの「GW2480T」「GW2780T」は、保護者として気になる子どもの目の健康を考えたアイケア機能を搭載しているだけでなく、スマホやタブレットでのうつむきがちな姿勢を矯正することができる。また、大きな画面に向かうことで一覧性も大きく向上し、結果として学びの質も高めることも期待できそうだ。

 外部モニターは、ただパソコンやタブレットの画面を映すだけの道具として考えず、家庭においては、子どもの学習机のような大切な存在として、機能をきちんと確認し、その使い方を考えて選んでいくといいだろう。

目に優しいアイケアモニター「GW2480T」「GW2780T」

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著者プロフィール

  • 相川 いずみ(アイカワ イズミ)

     教育ライター/編集者。パソコン週刊誌の編集を経て、現在はフリーランスとして、プログラミング教育やICT教育、中学受験、スマートトイ、育児などの分野を中心に、取材・執筆を行っている。また、渋谷区こどもテーブル「みらい区」を発足し、地域の子ども達に向けたプログラミング体験教室などを開催している。一児の...

  • 森山 咲(編集部)(モリヤマ サキ)

    EdTechZine編集部/CodeZine編集部所属。映像系美大生、組み込み系ソフトウェアエンジニアを経て2016年10月に翔泳社へ入社。好きな色は青色全般。

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