近視予防フォーラムは、小中学生の子どもを持つ保護者を対象に実施した、「新型コロナウイルスによって変化した子どもの生活実態」に関する調査結果を、7月29日に発表した。
同調査は、夏休み短縮、土曜日授業、オンラインでの授業、オンラインでの塾・習い事を実施または予定している、小中学生の子どもを持つ全国の20代〜50代の保護者1000名(父親・母親各500人ずつ)を対象に、6月25日~28日の期間に行われている。
調査対象者に、新型コロナウイルス感染症の影響下における、1年前と比較した子どもの過ごし方の変化を尋ねたところ、時間が増えたのは「自宅で過ごす時間」(86.3%)、「パソコンやスマートフォンを見る時間」(72.9%)、「動画を見る時間」(67.2%)、「ゲームをする時間」(61.2%)などで、時間が減ったのは「屋外で遊ぶ時間」(67.1%)だった。
1日に外で遊ぶ平均時間は、1年前は平均61.1分だったのに対して、緊急事態宣言の発令にともなう外出自粛中は平均24.2分、現在は平均35.4分となっている。1年前との比較では、全体では25分以上、小学生では23.8分、中学生では27.5分短くなった。
外遊びの時間が短くなった理由としては、「新型コロナウイルス感染防止で外に出ていないため」(70.5%)という回答がもっとも多く、「新型コロナウイルスの影響で普段遊んでいた友人に声をかけにくくなっているため」(44.4%)、「新型コロナウイルスの影響で閉館していたり休業してしまっている施設が多いため」「ゲームなど、屋内での遊びが増えたため」(同率35.0%)といった回答がそれに続く。
小中学生の日々の生活スケジュールが、例年と比較して過密化していると思うかを尋ねたところ、「過密化している」(18.3%)、「やや過密化している」(42.4%)を合わせた60.7%の保護者が、スケジュールの過密化を実感している。また、新型コロナウイルス感染症の影響によって、「土曜日の授業」(71.2%)や「オンラインでの塾・習い事」(66.2%)が、過密化の度合いをさらに高めていることがわかる。
パソコンやタブレット端末、スマートフォンの視聴時間を尋ねた質問では、1年前は1日平均58.5分だったが、外出自粛中は平均129.7分と倍増した。現在の視聴時間は平均79.2分と、外出自粛中よりは短くなったが、1年前と比較すると20分長くなっている。
新しい生活様式を取り入れていくにあたって、小中学生の健康・生活に対して心配なこととしては(複数回答)、「運動不足」(79.6%)、「体力の低下」(76.4%)、「視力低下」「学力の低下」(同率70.6%)を挙げる意見が多かった。また、「太陽に当たる時間が短くなる」という懸念も61.9%に達している。
子どもが太陽光を浴びることについて、どう思っているかを尋ねたところ、「重要だと思う」(51.7%)、「やや重要だと思う」(34.0%)を合わせた85.7%の保護者が、小中学生は太陽光を浴びるべきと回答した。
小中学生が1日1回は外に出て太陽光を浴びるようにしているかを尋ねた質問では、太陽光を浴びるようにしているという回答は51.5%に留まり、小学生では60.2%が1日1回外に出て太陽光を浴びているものの、中学生では42.8%で、女子中学生では39.6%しかいない。
新しい生活様式において、小中学生が太陽光を浴びる時間がどう変化すると思うかを尋ねたところ、「変わらない」は42.6%だったが、「減る」という回答も40.3%に達している。また、太陽光を浴びる時間がもっとも短かった女子中学生の保護者では、44.8%が「太陽光を浴びる時間が減る」と予想する。
新しい生活様式を取り入れていくことによって、例年と比較して子どもとの接し方や屋外時間が変化するかを尋ねた質問では、64.8%の保護者が子どもと接する時間が「増えた」と答えているが、自身が屋外で過ごす時間については、51.6%が「減った」と回答した。
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア