AI×アダプティブラーニングで基礎学習を支援する「すらら」
「教育に変革を、子どもたちに生きる力を」を企業理念として掲げ、格差の是正を目指して教育システムを提供してきた「すららネット」。人工知能とアダプティブラーニングを掛け合わせた手法で、解法ベースではなく体系的な根本理解を促す、クラウド型自立学習支援システム「すらら」を提供している。2007年の創業以来、400校以上の学校や、1000以上の学習塾などのユーザーを獲得し、新型コロナウイルスに伴う休校への支援策として369校、約15万IDを無償提供したことでも話題になった。
同社 マーケティンググループ マネージャーの林俊信氏は「アダプティブAIを駆使したコンテンツ力の高さはもちろん、10年以上蓄積してきた運用ノウハウを組み合わせて提供しているところに強みがある」と自信を見せる。そして、近年のICTを活用した個別最適な学習が各校で始まりつつあることに触れ、「基礎力はそれで身についても、社会で活躍するための実践力や思考力は協働学習が必要だ。しかし教員は忙しく、新型コロナウイルスの影響で負担も増大している。そこで、ICTをうまく組み合わせて活用し、効率的かつ充実した学習とすることが望ましい。その1つとして『すらら』を役立ててほしい」と語った。
「すらら」は基礎学力向上のためのeラーニング教材だ。小学校低学年から高校3年生までの「国・数・英」、そして2020年からは小中学校の「理・社」にも対応している。講義をアニメーション化したわかりやすいレクチャーに加えて、生徒の理解度に合った問題が自動的に出題される仕組みになっており、偏差値30台後半から65以上の学習に幅広く対応が可能だ。テストで定着度を測定し、特許取得の「つまずき分析」でできなかった原因を明らかにすることで、ドリルの出題だけでなく、不十分な部分まで戻りレクチャーで確認できるなど、体系的な根本理解を促すことができる。
教員にとっては、出題からテスト採点まで事務的な負担が軽減され、生徒の進捗度もスタディログでリアルタイムの把握ができるため、一人ひとりに合わせた適切な指導に集中できるようになる。システム内にもゲーミフィケーションを組み込んだり、レクチャーを人気アニメの声優が担当したりすることで、楽しく学習習慣を身につける工夫も多く施されている。