EdTechZine(エドテックジン)

学習目的・対象者別

オンライン授業を実現するポイントとは? N中等部の「Zoom」を使った事例を紹介!

  • ブックマーク
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 「N中等部」は、学校法人角川ドワンゴ学園が運営するプログレッシブスクールです。社会で求められる創造力を身につけるための実践型授業が特徴で、2019年4月に通学コースを開講しました。2020年度4月からはネットコースの開講を控えています。そんな中、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、オンライン授業の提供を2月25日から急遽実施し始めました。先生も生徒たちも「自宅でのオンライン学習」には全く馴染みのない中で、どうやって実現したのか、そのプロセスを紹介します。

はじめに

 筆者は学校法人角川ドワンゴ学園に所属し、N中等部の「21世紀型スキル学習」の授業コンテンツや各種ワークショップの制作を担当、2020年度4月に開校を控えたN中等部ネットコースの授業制作を担当している職員です。

 今回、N中等部(N高等学校でも実施)のワークショップ型授業を急遽オンラインで提供することができた背景には、これまでのさまざまな方々の協力や連携がありました。経済産業省の「未来の教室」実証事業で開発している21世紀型スキルプログラム、沖縄県竹富町とNTT西日本と共同で実施した離島島しょ部の小・中学生に向けたオンライン上でのプロジェクト型学習の開発・実施など、開校以降、さまざまな地域や団体に協力をしていただき、試行錯誤ができたおかげです。関係各位には心より御礼申し上げます。

オンライン授業、まず何を準備する?

 さて、本題です。今回のオンライン授業に使用した道具は2つ。パソコン(またはスマートフォン)とイヤホンです。静かな環境であればイヤホンはなくても構いません。N中等部の生徒はもともと1人1台のパソコンを所持しており、ここは問題なく用意できました。

 次に「Zoom」というビデオ会議用のアプリをインストールします。インストールの方法については「Zoom」の公式Webサイト(ヘルプセンター)に詳しく書かれているので、そちらをご覧いただければと思います。

なぜオンライン授業は「Zoom」を使うといいのか

 ビデオ会議用のアプリは他にもたくさんありますが、学校の授業のように40人規模の人数が同時に接続して使用するには、最大接続人数の制限や接続の安定性という物理的な制約上「Zoom」が非常に優れていると思います。マイクやイヤホンの設定も比較的簡単にでき、デジタル機器に詳しくない人でも簡単に使い始められるといった利点もあります。

 また、「複数人に同時に授業を行う」という目的から見ても、

  • 全員の顔を見て話せる。
  • 教室でスライド投影をするイメージで、先生の画面を生徒に一括で共有できる。
  • 挙手機能がある。
  • 「ブレイクアウトルーム」の機能で、少人数のグループに分かれてグループワークができる。
  • チャット機能があり、テキストでのコミュニケーションができる。
  • 録画・録音ができる。

といったことが、学校現場でも使いやすい点として挙げられると思います。

 ただし無料のプランで利用する場合、3名以上が接続すると40分で通話が切れてしまいます。多人数が参加する学校の授業の場合、有料プランの利用も視野に入れたほうがいいでしょう。

「Zoom」を使った授業イメージ
「Zoom」を使った授業イメージ

「Zoom」を使い始めるときのコツ

 「Zoom」でオンライン授業を開始するには、まず、先生も生徒も、使い方を学ぶ必要があります。その際、各自でマニュアルを読んでおくよりも、実際に一緒に使ってみる方が楽しく、格段に吸収が早くなります。

 N中等部では、2020年度4月のネットコース開講に向けて、のべ100人以上の中学生に向けてトライアル授業を行ってきました。当初は「Zoom」についてマニュアルを事前に読んで理解しておくように指導していました。ところが「Zoomの使い方がマニュアルを読んでもわからない」「そもそもマニュアルを読みたくない」といった理由で授業から離脱してしまう生徒がいました。授業が始まる前に生徒のやる気を削いでしまっては元も子もありません。そこで「Zoom」の使い方を解説する授業をすることにしました。それが「Zoomに慣れよう」という授業です。授業のスライドは公開しているので、ぜひご覧ください。

 オンライン授業のスライド制作の際に大事にしているのは

  • 1つのスライドに入れるメッセージは1つに絞る。
  • スライド1枚にかける時間は30秒程度、テンポよく進める。

の2点です。生徒たちは「Zoom」でみんなの顔が見えるだけでワクワクします。その気持ちを大切にすると、授業もテンポ良く進められるはずです。


関連リンク

  • ブックマーク
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

著者プロフィール

  • 江村 翼(株式会社ドワンゴ/学校法人角川ドワンゴ学園)(エムラ ツバサ)

     佐野日本大学高等学校、慶應義塾大学 環境情報学部 卒業。  2019年4月ITベンチャー企業入社。PMとして人事向けクラウド型プラットフォームサービス開発/リリース後、同年9月、学校法人 角川ドワンゴ学園入職。同年11月に株式会社ドワンゴへ転籍。高校時代に世界で初めてプラナリアに機能的な脳が存在...

  • 中村 薫(学校法人角川ドワンゴ学園)(ナカムラ カオル)

     秋田県立能代高等学校、東北大学 教育学部 卒業。  2003年4月(株)ベネッセコーポレーション入社。通信教育「進研ゼミ 中学講座」の国語教材の企画・制作や保護者向け情報誌、47都道府県別入試情報誌の立ち上げを担当。2007年12月(株)角川メディアハウス入社。映画館でのみ販売するカルチャー誌『...

おすすめ記事

All contents copyright © 2017 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.0