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公立高校で動画制作を実践! 授業の進め方は? アプリは何を使う?

ゼロから始めてここまでできる! 公立高校でのICT教育実践 第7回

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 本連載では公立高校の教員である筆者が、非モデル校においてゼロからICTを活用した授業に取り組んだ際の知見と事例を紹介します。これまでは機器やソフトウェアを活用した実践例をお伝えしてきました。今回は動画制作の授業に関する、皆さまの疑問にまとめてお答えします!

はじめに

 本年度、私は授業で生徒に動画を制作させる試みを実施しました。それについて事例発表したことにより、動画制作に関する質問がとても多くなっています。そこで後編となる今回は、授業で動画制作を行うための質問に対し、本校で実践した授業を踏まえながらお答えします!

動画制作の授業、どう進めて何が身に付く?

動画で育成できるスキルはどのようなものでしょうか?

 「思考力」や「創造性」「編集力」「協調性」「情報リテラシー」「段取り力」「構成力」など……たくさんありすぎて書けません。その上、私たちが考えている以上に生徒はクオリティの高い動画を制作してきます。こうした過程からは、先ほど挙げたスキル以外にも養えるものが多いと感じています。

動画を制作させる際、プレゼンをそのまま写すことを「基本レベル」として検討しています(よりアレンジしたいグループはそれぞれに任せる)。助言を頂けますか?

 「プレゼンをそのまま写すことを『基本レベル』として……」この部分を教員の中の理解だけに留めておくか、生徒にも伝えるのかがひとつの分かれ目になってくるでしょう。生徒がそれを知ってしまうと、アレンジを加えるグループが減る可能性もあるのではと考えます。

 本校で実施した際は予防線を張らずに、編集・アレンジありきで制作させました。「最初はそんなことできないよー」と戸惑っていましたが、終わってみれば「意外にできる。俺、YouTuberになれるかも」と言っていました。

動画制作に関する説明について、雛形や留意点はありますか?

 その部分を含めて、生徒にすべて任せるとおもしろいかもしれません。「動画を制作するのに何が必要で、どんな役割があって、構成はどうすればいいのか」と生徒に考えさせ、「段取り力」や「判断力」「情報選択力」「企画力」など、さまざまな力を養わせるのです。

 ですので、生徒の力を信じることと、その後出てきた動画に対しても寛容な心を持つことが大切です。

 また、本校の場合はプラットフォームにGoogle Classroomを利用しました。そこにすべての動画をアップロードしてもらうことで、こちらとしても提出・未提出の確認や指示などがしやすくなります。制作したものをどのように表現させるのか、アウトプットの仕方まで考えておく必要があるでしょう。

留意点

 生徒の情報機器の取り扱い方には注意すべきです。教員が確認した上であれば、制作した動画が外部にアップロードされても問題ないと思いますが、制作中に楽しくなってしまって、悪ふざけ編集が世に出たりすることは避けるべきです(肖像権やプライバシー権の関係で)。そこは生徒たちにしっかり説明しなければいけません。もちろん管理職にも一言伝えておくことが望ましいでしょう。

動画を制作するだけでなく、最終的なアウトプットとして何を評価するか、生徒に説明する際の注意点などを教えてください。

 まず、評価のポイントや基準について生徒に説明しました。さらに投票で順位を決めることや、他校の生徒と動画を視聴し合い、交流を行うことも伝えました。

生徒に伝えた内容

【動画の評価基準】
  • 動画は百人一首の魅力が伝わる動画にすること。
  • 各班が選んだ歌の訳は魅力的か、またその訳をしっかり伝えられているか。
  • その歌の魅力はどのような所にあるか、なぜそこが魅力的なのかを説得力のある言葉でわかりやすく伝えているか。
  • 話すスピードや抑揚、声のボリュームなどは適切か。
【留意点】

 発表はグループ全員で行っても、代表生徒のみで行ってもいい。また、PR・プレゼンで小道具を使用したり、寸劇的な要素を入れたりしてもいいが、あくまで評価基準は上記の基準とする。

【投票について】

 順位を決める投票はGoogleフォームで実施する。各班とも自分たちが制作した動画以外に投票すること。動画視聴は必要に応じて何度も行い、百人一首の理解を深めること。

 このように、制作して終わりではなく、その後どう活用するのか、しっかりと決めておくことが重要です。


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著者プロフィール

  • 浅見 和寿(埼玉県立川越工業高等学校)(アサミ カズトシ)

     東秩父村出身。埼玉大学大学院文化科学研究科修士課程修了。大学院在学中、国際交流基金から助成を受け、北京師範大学にて日本語講師を経験。修了後、埼玉県立松山高等学校に国語教員として勤務。その後、現職。元・東京成徳大学非常勤講師。勤務校で生徒に国語を教える傍ら、大学講師や初任者研修講師として教員養成にも...

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