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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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直感的に作品をつくれる「Springin’」でプログラミング教育

プログラミング教育にもぴったり! 誰もがクリエイターになれるアプリ「Springin’」を体験しよう

直感的に作品をつくれる「Springin’」でプログラミング教育 第1回

 「Springin’(スプリンギン)」というビジュアルプログラミングアプリをご存じでしょうか? Springin’は絵を描いて、その絵に性質を定めたり、絵の間に関係性を定義したりすることで簡単にプログラミングを使って自分の作りたいものを作ることができる「プログラミングツール」です。小学校低学年でも取り組むことができるプログラミング教育用の教材として、現在注目を集めています。導入に必要なのはiPadなどのiOS端末だけ。アプリのダウンロードや利用は無料で行うことができます。この連載では学校の先生や指導者の方に向けて、Springin’を導入した「プログラミング教育の具体的な手法」や「テーマ設定」について解説します。学校にiOS端末の環境がなくても大丈夫です。お手持ちのiPhoneで試すこともできますよ。

小学校のプログラミング教育必修化はもうすぐ!

 あっという間に2019年も終わろうとしています。「そんなこと言わないで! まだまだやることがいっぱいあるのに!」という声が聞こえてきそうです。そして小学校の先生方の場合、「やらなくちゃいけないことリスト」の中には「プログラミング教育の準備」が入っているのではないでしょうか?

 来年は2020年。2020年と聞くと東京オリンピック・パラリンピックを思い出す方が多いようですが、先生方と話しているとプログラミング教育スタートがぱっと脳裏に浮かぶ方もいらっしゃるようです。

 2020年春からの小学校でのプログラミング教育必修化。決して僕は、「まだ準備できていないんですか?」と煽りたいわけではありません。そして「プログラミング教育なんて簡単だから、何も準備する必要はないですよ」と楽観的すぎることを言いたいわけでもありません。

 プログラミング教育の必修化は先生方にとっても大きな変化なのは間違いないし、もちろん準備は必要です。そして膨大な校務をこなしながら、新しい分野の準備に取り組む時間を捻出することは大変なことだと思います。そしてそういう状況においては、導入が簡単で、直感的に使えて、覚えることも少なくて、かつ効果的にプログラミング的思考を育むための指導ができる教材やツールがあればすごく理想的ですよね。

ビジュアルプログラミングアプリ「Springin’」
ビジュアルプログラミングアプリ「Springin’」

 僕たちが提供しているビジュアルプログラミングアプリの「Springin’」は、その理想に応えられるツールとして開発しています。この連載では具体的な使い方やアイデアを通じて楽しさや便利さを伝えることができたらと思っています。

Springin’がプログラミング教育に適している3つの理由

 Springin’は2017年にリリースしたiOS向けのアプリです。リリースした後も「すべての人をクリエイターに!」というコンセプトを実現するために、プログラマーやデザイナーらとともにさらなる改良に向けて開発を進めています。

 そして僕はSpringin’の生みの親という立場でいろんなところでしゃべったり、記事を書いたりしてきました。そしてそれは、どちらかというと未来のクリエイターに向けたお話が中心でした。

 そこでこの連載では、学校の先生や指導者の方に向けた、小学生へのプログラミング教育のための実践的な内容に焦点を当てたものにしたいと思います。第1回は、Springin’を小学校プログラミング教育におすすめしたい理由を3つに絞って挙げてみます。

【その1】簡単で楽しくなるまでが早い

 直感的なインターフェースで作りたいものを最短距離で作ることができるのがSpringin’の最も重要なポイントです。そして作りたいものが動くようになると、そこに楽しさが必ずついてきます。もちろん試行錯誤は重要なプロセスです。ただ、それが進歩が実感できないまま長く続くと飽きにつながるし、最後までやり抜く力(GRID)を育てることもできません。

 Springin’でのプログラミングにはコーディング(テキストでプログラムを書くこと)は必要ありません。Springin’でのプログラミングは、タッチディスプレイに絵を描いて、その絵(Springin’ではアイテムと呼びます)の性質や、アイテム同士の関係性を設定することによって行います。性質や関係性を設定する方法は、直感的にデザインされたアイコンをタッチしていくだけです。

Springin’は直感的な操作でプログラミングできる
Springin’は直感的な操作でプログラミングできる

 ここで言う性質は例えば「この絵は画面に止めて動かなくしたい」とか「タッチされたら消える」といったようなもので、関係性は例えば「この絵をタッチするとキャラクターがジャンプする」とか「このキャラクターとゴールの旗がぶつかったときには次の画面に切り替わる」といったことです。そして今挙げた例を組み合わせるだけでも、ちょっとしたゲームが作れてしまいます。

 コンピューターやその上で動くツールはどんどん進化しています。私たちは毎日、カラーディスプレイにタッチインターフェースの小型のコンピューター(スマートフォンのことです)で写真や動画を編集したり、文章を書いて発信したり、さまざまな自動化を行ったりしています。これらは決して特殊な技能ではありませんし、子どもたちはその先の世界を生きていきます。

 そんな子どもたちに必要なのは黒い画面とキーボードを前提にしたプログラミングではありません。プログラミング教育はプログラミングが得意な子どもを育てることが目的ではなく、プログラミング的思考を使って、自分のやりたいことを実現できるようになることが最終目標であるはず。つまり、どんな子どもであってもプログラミングを通じた問題解決を通じて「できる!」と自信を持ってもらうことが大切です。

 Springin’のコンセプトは「プログラミングを楽しめるようになるまでの最短距離を提供する」こと。最初に楽しめるまでの時間や労力(学習コスト)を最小限に抑えることが大切だと思っています。これは子どもたちはもちろん、大人にとっても魅力的なポイントですよね。

【その2】得意を活かせる・さらに伸ばす

 プログラミング教育は、プログラミング的思考を使って、自分のやりたいことを実現できるようになることが最終目標です。そしてその実現の手段のひとつとしてプログラミングが重要になってきた今、学校でも取り入れようというのがプログラミング教育導入の流れのように思います。

 人によって得意なことは違います。そして社会はそれぞれの得意を組み合わせた分業で成り立っています。これからの社会を生きる子たちに大事なのは、苦手なことを中途半端に克服するよりも得意な分野をさらに伸ばすことです。

 Springin’でのプログラミングのプロセスはロジックを考えることだけではありません。絵を描いたり、音を作ったり、お話の流れを考えたり、ゲームのルールを考えたりなどさまざまなプロセスを経て、ひとつの作品ができあがります。そしてこのプロセスは現代のアプリ開発の現場でも必要なことです。音や絵のないアプリなんてほとんどありませんからね。

Springin’で絵を描くことに夢中になる子どもも多い
Springin’で絵を描くことに夢中になる子どもも多い

 つまりSpringin’でのプログラミングは、取り組む子どもたちが持つ「それぞれ違う得意な分野を活かした」プログラミング教育が実施できるということです。

【その3】一緒に取り組むことに向いている

 当たり前ですが、プログラミング的思考を教えることはプログラミング教材の役割です。そして「必ずしもプログラミングの専門家ではない」指導者に求められることは、適切な課題を与えること、そして一緒に考えてあげることです。

Springin’を使ったプログラミングの授業
Springin’を使ったプログラミングの授業

 ここまでお話したSpringin’でのプログラミングの良いところは、子どもたちだけではなく、一緒に取り組む先生や指導者、そして保護者の方にとっても重要なことだと考えています。専門知識をベースにしない直感的なビジュアルプログラミングは、子どもたちと一緒に取り組むことへのハードルを下げることができます。簡単なので子どもが何をやろうとしているのかも理解できますから、安心して子どもたちと一緒に歩くことができます。

 この連載ではSpringin’を使ったプログラミング教育における適切な課題やアイデアをシェアしていきます。特に先生方からよく聞く「どうやって教科に取り込めばいいかわからない」という疑問に答えるため、文部科学省のプログラミング教育分類(A~F分類)やサンプル課題なども参考にした、実践的な課題を具体的に示していく予定です。

 ですから、後は一緒に考えてあげることに注力をしていただければOKです。大丈夫。Springin’はわかりやすくて応用がしやすいので今からでも間に合うし、誰でもできるようになれますよ!

次のページ
【今回の課題】ほかの人のプログラミング作品を楽しむ

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この記事の著者

中村 俊介(株式会社しくみデザイン 代表)(ナカムラ シュンスケ)

 株式会社しくみデザイン代表、クリエイティブ教育ラボ所長。  名古屋大学建築学科卒業後、九州芸術工科大学(現九州大学)にて博士号(芸術工学)を取得。AR楽器アプリKAGURAをはじめ、参加型サイネージや、ライブコンサートのリアルタイム映像演出等、数々の日本初を手がけており、アメリカ、スペイン、中国...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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