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イベントレポート(プログラミング教育)

プログラミングを学ぶ、すべての子どもたちに輝ける場を! IT×ものづくりのお祭り「ワンダーメイクフェスミニ」レポート


 首都圏を中心にIT×ものづくり教室を展開する「LITALICOワンダー」は毎年、「ワンダーメイクフェス」と呼ばれる年次イベントを開催している。同イベントは、LITALICOワンダーでプログラミングを学ぶ子どもたちの発表の場であるが、年々、その規模が拡大しており、昨年10月に日本科学未来館で開催された時は、なんと4500名以上もの来場者が訪れた。ひとつのプログラミングスクールの発表会に、これだけの人が集まるのはほかに例がなく、国内最大級のプログラミングイベントと言っていいだろう。そんな中、LITALICOワンダーは子どもたちにより多様な発表の場を与えるべく、「ワンダーメイクフェスミニ」を9月23日、29日~30日の3日間で開催した。本稿では、9月29日に株式会社ネクソンで開催された様子をレポートする。

注:ワンダーメイクフェスミニでは、すべての子どもたちがクリエイター名で作品を発表しており、本文中もその名前を使用している。

9月29日に株式会社ネクソン(東京都港区)で開催された「Wonder MakeFes mini」の様子。
9月29日に株式会社ネクソン(東京都港区)で開催された「Wonder MakeFes mini」の様子。

プログラミングを学ぶ子どもたちに、多様な発表の場を

 2018年9月23日、29日~30日の3日間で開催されたITものづくり発表会「ワンダーメイクフェスミニ」は、今年初めて開催されたイベントだ。LITALICOワンダーの年次イベント「ワンダーメイクフェス」のミニ版という形で規模は小さいが、プログラミングを学ぶ子どもたちにより多様な発表の場を提供すべく開催された。

 というのも、LITALICOワンダーは、東京・神奈川に12教室を展開し、今や生徒数は2600名を超える。ここまで規模が大きくなると、年1回のワンダーメイクフェスだけでは、発表する子どもたちが限られてしまい、すべての子どもたちが発表する場を得ることはできない。そこでLITALICOワンダーでは、ミニ版という形でワンダーメイクフェスミニを開催し、より多くの子どもたちが参加できる場を作った。3日間3会場で行われた同イベントには、スクールの子どもたちが計900名も参加し、筆者が訪れたネクソンの会場では、約300名もの子どもたちの作品を見ることができた。とてもミニイベントとは思えない盛り上がりだ。

 ワンダーメイクフェスミニの特徴は、皆が同じスタイルで発表するのではなく、子どもたちが「プレゼン発表」「ブース出展」「ポスター展示」の3種類から自由に選んで発表することだ。多くの人に作品をアピールしたい子はプレゼン発表、自分の作った作品を触ってほしい子はブース出展、文字やイラストで作品の魅力を伝えたい子はポスター展示という具合に、子どもたちは自分の好きな発表スタイルを選んで参加することができる。

 また、イベントを支える「こどもスタッフ」を設けていることもワンダーメイクフェスの特徴で、子どもたちは受付や司会補助、会場の装飾などを手伝って、雰囲気を盛り上げた。

ポスター展示の様子。子どもたちは自分が作った作品を1枚の用紙にまとめ、来場者はフィードバックシールを貼って感想を伝える。
ポスター展示の様子。子どもたちは自分が作った作品を1枚の用紙にまとめ、来場者はフィードバックシールを貼って感想を伝える。

 子どもたちの作品発表以外にも、最新ガジェットやツールを体験できる企業ブースやワークショップが設けられた。プログラミングに興味のある親子、新しいガジェットを触ってみたい子どもにとって、ワクワク楽しい体験ができる。小学生の間でも学ぶ子どもが増えている、ゲーム開発プラットフォーム「Unity」を体験できるブースや、株式会社ネクソンとLITALICOワンダーが提供するワークショップ「ゲームハッカソン」など、来場者は実際にPCを触りながらプログラミングを楽しんだ。

ゲーム開発プラットフォーム「Unity」は近年、プログラミングを学ぶ小中学生の間でも知名度が高まっている。ブースにも多くの子どもたちが列をなしていた。
ゲーム開発プラットフォーム「Unity」は近年、プログラミングを学ぶ小中学生の間でも知名度が高まっている。ブースにも多くの子どもたちが列をなしていた。
株式会社ネクソンとLITALICOワンダーが提供するワークショップ「ゲームハッカソン」では、簡単にドット絵が描ける「Piskel」を使ってオリジナルキャラクターを作り、Scratch内に登場させて簡単なゲームを作った。
株式会社ネクソンとLITALICOワンダーが提供するワークショップ「ゲームハッカソン」では、簡単にドット絵が描ける「Piskel」を使ってオリジナルキャラクターを作り、Scratch内に登場させて簡単なゲームを作った。

自分のこだわりや作り方が、そのまま作品の魅力に

 プレゼン発表は、ScratchやUnityで作られたゲーム作品と、ロボットプログラミング、3Dモデリングなどを行うデジタルファブリケーションの3つのカテゴリーで2つの会場に分かれて行われた。どちらも、子どもたちは作品の説明とアピールポイントなどをスライドにまとめ、制限時間内でプレゼンをした。

【tmさん】「世界中の人と話がしたい」という想いから生まれたコミュニケーションツール

 LITALICOワンダーに通い始めて1年9カ月という小学5年生のtmさんは、Scratchで作った「マークコミュニケーションプログラム」を披露した。同プログラムは白黒のマークを最大8つまで入力し、文字ではなく絵で感情や想いを伝えるコミュニケーションツールだ。tmさんは、とあるウェブサイトで絵文字チャットの存在を知り、「この方法で世界中の人と話ができたら、もっと仲良くなれるのではないか」と考えたという。tmさんは「アートは言葉の壁を乗り越えていけるので、アートで世界が平和になるものを作りたい」と語った。5年生とは思えない着眼点に審査員たちはエールを送った。

小学5年生のtmさんが作った「マークコミュニケーションプログラム」。マークは、共用品推進機構で公開されている無料のものを使用した。「私は牛乳が好きです」という内容を伝えたい場合は、「私」「牛乳」「好き」のマークを入力する。「言葉の壁を越えることができたら、世界中の人がもっと仲良くできるのではないか」とプレゼンで伝えた。
小学5年生のtmさんが作った「マークコミュニケーションプログラム」。マークは、共用品推進機構で公開されている無料のものを使用した。「私は牛乳が好きです」という内容を伝えたい場合は、「私」「牛乳」「好き」のマークを入力する。「言葉の壁を越えることができたら、世界中の人がもっと仲良くできるのではないか」とプレゼンで伝えた。

【はちみつさん】ほかの人が作ったキャラクターも登場するゲームを制作

 また、プログラミング歴1年で小学5年生のはちみつさんは、テレビ番組「逃走中」をモチーフにした、Scratchで制作中のゲームを披露した。はちみつさんの面白いところは、ゲームのオリジナルキャラクターをScratchのコミュニティサイトで募集しているところ。「自分は絵を描くのが苦手なので、いろいろな人とコミュニケーションして『オリジナルキャラクターを描いてください』と募集した。自分が協力をしたり、誰かから協力をしてもらったりしながら作品を作るのはとてもやりがいがある」と語った。

はちみつさんは、ゲームで使用するオリジナルキャラクターをScratchのコミュニティで募集しながら作品を作っている。こちらははちみつさんに寄せられたオリジナルキャラクターの数々。
はちみつさんは、ゲームで使用するオリジナルキャラクターをScratchのコミュニティで募集しながら作品を作っている。こちらははちみつさんに寄せられたオリジナルキャラクターの数々。
そして、それを使って作ったリミックス作品の変遷。現在はバージョン7まで改良が進んでいるという。
そして、それを使って作ったリミックス作品の変遷。現在はバージョン7まで改良が進んでいるという。

 ロボットプログラミングのプレゼン発表では、子どもたちは自分が作ったロボットの動きを動画にまとめて披露した。

【かずくらさん】パーツを試行錯誤しながら制作したロボット「ゴリラキャタピラー」

 小学3年生でプログラミング歴1年のかずくらさんは、手で敵を倒すゴリラキャタピラーを作った。最初はゴリラを作っていたが、足がうまく動かず、キャタピラーに切り替えて動きを完成させたという。プログラミングは、モーターを制御する部分が最もむずかしく、スライドで工夫した点を説明した。かずくらさんは「ものを壊すのは大変なので、そういう時に使ってもらえるとうれしい」と作品に込めた想いを語った。

プログラミング歴1年、小学3年生かずくらさんの作品「ゴリラキャタピラー」。
プログラミング歴1年、小学3年生かずくらさんの作品「ゴリラキャタピラー」。
ロボットの動きを動画で披露し、プログラミングで苦労した点をスライドにまとめて発表した。
ロボットの動きを動画で披露し、プログラミングで苦労した点をスライドにまとめて発表した。

 ほかにも、PK対戦をモチーフにしたサッカーロボットや、ボールをつかむロボット、卵を焼くエッグマシーンなど、子どもたちの世界観や個性が伝わる作品が披露された。

 プレゼン発表では、子どもたちが1人ずつ発表した後、観客がフィードバックを返すのもワンダーメイクフェスの特徴だ。来場者はプレゼンを聞いた後に、あらかじめ配布された「ナイスデザイン」「ナイステクニック」「ナイスストーリー」「ナイスユーモア」のカードの中から、どれかひとつを選んでフィードバックする。子どもたちはそれを見ながら「自分の作品を面白いと言ってもらえてうれしい」「ナイスユーモアが多いと予想していたけど、ナイステクニックが多くて意外だった」などの感想を話した。子どもたちが新たな気づきを得られるよう、会場全体が和やかな雰囲気で進められていたのがとても印象的だった。

観客たちはプレゼンが終わった後に「ナイスデザイン」「ナイステクニック」「ナイスストーリー」「ナイスユーモア」のカードの中から、どれかひとつを選んでフィードバックをする。
観客たちはプレゼンが終わった後に「ナイスデザイン」「ナイステクニック」「ナイスストーリー」「ナイスユーモア」のカードの中から、どれかひとつを選んでフィードバックをする。

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身近なロールモデルがプログラミング作品の変遷を披露

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この記事の著者

神谷 加代(カミヤ カヨ)

 教育ITライター。「教育×IT」をテーマに教育分野におけるIT活用やプログラミング教育、EdTech関連の話題を多数取材。著書に『子どもにプログラミングを学ばせるべき6つの理由 「21世紀型スキル」で社会を生き抜く』(共著、インプレス)、『マインクラフトで身につく5つの力』(共著、学研プラス)など...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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