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好事例から解き明かす、大学経営とデジタル人材育成

【松山東雲女子大学】地方・文系の女子大学でデジタル教育の奮闘──情報系教員を確保する「秘策」も

好事例から解き明かす、大学経営とデジタル人材育成 第4回


 大学デジタル教育の事例紹介の3校目として、松山東雲女子大学を取り上げる。同大学では2024年に「地域イノベーション専攻」を新設して情報系の教育に取り組んでいる。しかし、「地方・文系の女子大学」での情報系新設は容易ではなく、「専任教員が確保できない」といった課題をはじめ多くの障壁が立ちはだかる。その辺りの課題や対応策について同大学の地域イノベーション専攻を設立準備の段階から中心的に主導してきた中川祐治特任教授(以下、中川氏)に話を伺った。中川氏は「情報系の教員を経済学の教員として採用する」といったユニークな取り組みをされており、そうした工夫についても紹介する。

「地方・文系の女子大学」の生き残りをかけて

 松山東雲女子大学は、1886年(明治19年)創立の私立大学である。その歴史は古く、現在では四国で唯一の女子大として、地元では有名な大学である。しかし、地方の女子大の経営環境は厳しいものがあり、近年ではその生き残り策を模索している。

 そのひとつが、共学化である。近年、全国的に女子大の共学化が増えているが、同大学においても2028年度から共学化するとともに、学校名も「松山東雲大学」(仮称)へ改称することが正式に発表されている。

 そして、もうひとつの突破口が本稿で紹介する情報教育である。同大学では2024年に「地域イノベーション専攻」を新設して、デジタル教育に注力している。ただし、その道は平坦ではなく、さまざまな課題があることも事実である。本稿では、新専攻の詳細について同大学の人文科学部・心理子ども学科・地域イノベーション専攻の中川祐治特任教授(以下、中川氏)にインタビューして、新専攻の立ち上げから現在に至るまでのさまざまな話をお伺いした。

覚書の締結から新専攻の設立へ

 新専攻設立の発端は、2022年12月に締結された「デジタル人材の育成・確保に向けた連携・協力に関する覚書」である。これは、愛媛県と県内4つの大学(愛媛大学、松山大学、松山東雲女子大学、人間環境大学)が連携することにより、地域全体でデジタル人材の育成を図るものであり、愛媛県が主導して締結に至ったものだ。その翌年の2023年3月に、松山東雲女子大学は愛媛県とデジタル人材育成のための専攻の設置・運営に関する連携協定を締結し、「地域イノベーション専攻」が設置されることが正式に公表された。

 当時、中川氏は愛媛大学に在籍しており、大学院・数理物質科学専攻の教授を務めるとともに、データサイエンスセンターに所属して全学の情報教育に携わっていた。年齢的に愛媛大学の定年を迎えて次のキャリアを考えていたころであり、先述の県内4大学による覚書により「松山東雲女子大学へ行って、新しい専攻の立ち上げに貢献してほしい」と打診された際にも違和感なく受け止めたという。

 以上の経緯から、2023年4月に中川氏は松山東雲女子大学へ移籍して、新専攻の立ち上げに尽力した。そして、1年間の準備期間を経て、2024年4月に「地域イノベーション専攻」が設立され、現在(2025年11月)では1年生と2年生で20名以上の学生が在籍している。

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情報系の教員を経済学の教員として採用する

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この記事の著者

角田 仁(ツノダ ヒトシ)

 1989年に東京海上火災保険に入社。主にIT部門においてIT戦略の企画業務を担当する。2015年からは東京海上のIT企画部参与(部長)および東京海上日動システムズ執行役員。2019年、博士号取得を機に30年間務めた東京海上を退職して大学教員へ転じ、名古屋経済大学教授や千葉工業大学教授を歴任した。現...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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