AI食事管理アプリ「あすけん」を開発・運営するaskenは、大阪府堺市と連携して、中学生の利用に特化したAI食事管理アプリ「あすけん学校教育向け」を、11月1日から全国ではじめて導入する。対象は、堺市立中学校全43校に通う約2万名の生徒となる。

今回の導入には、askenのグループ会社であるジーエスエフが、堺市で学校給食センターの運営を担っている実績が背景にある。ジーエスエフは学校給食の運営およびPFI事業に関する業務を行っており、両社が堺市に対して給食提供に加えた食育推進および健康支援策を提案。全国初となる「あすけん学校教育向け」の導入に至った。
「あすけん学校教育向け」は、従来の「あすけん」を学校の授業の場で利用することも踏まえて、中学生の食育に対応した内容になっている。同サービスの活用により、生徒自身が日々の食事内容を記録し、管理栄養士監修のアドバイスを確認しつつ、自らの食生活を客観的に振り返ることができる。さらに、食事の記録を通じて食生活への関心を高めるとともに、健康的な食習慣を主体的に身に付ける「食の主体的な学び」の定着を支援する。これにより、生涯にわたる健康的な食生活の実現、健康の保持・増進をサポートする。
「あすけん学校教育向け」の具体的な特徴としては、昼食メニューとして堺市立中学校の給食メニューが「あすけん」へ事前に登録される。生徒は簡単な操作で食事記録および栄養素の確認が可能となっている。
また、「日本人の食事摂取基準(2025年度版)」に基づいて、15歳未満の成長期に必要な摂取カロリーや各種栄養素の基準値に対応する。生徒は、自身の成長に必要な栄養素を簡単に把握できる。
あわせて「食事記録」「摂取栄養素グラフ」「食べたもの栄養素ランキング」「食事バランスチェック」といった、食に関する理解を深めるための機能を提供する。通常の「あすけん」で提供している目標体重設定、ユーザーが自身の食生活を投稿する「みんなの日記」機能、広告表示、有料プランへの案内などは一切含まれないため、教育現場でも安心して使える。
さらに、部活動や勉強といった中学生の日々の活動と必要な栄養素の関連性を紹介する。生徒が自身の生活と栄養素のつながりを認識することで、食について主体的に考えることを促す。
授業では基本的にパソコンで「あすけん」を使用するものの、アカウント情報を入力すれば保護者のスマートフォンなどの別端末でも使用可能となっている。そのため、家庭での食事内容への参考や家庭で食を学ぶきっかけとして役立てられる。
なお、今回の「あすけん学校教育向け」導入に先立って、同社は10月に一部の堺市内中学校1年生を対象にしたトライアル授業を実施。授業での効果的な「あすけん学校教育向け」の活用方法を検証した。生徒からは「食事のことを前より気にするようになった」「食事の栄養バランスを考えようと思った」といった、前向きなコメントが寄せられている。

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