博報堂教育財団の調査研究機関であるこども研究所は、子どもの中長期的な変化を見る時系列調査「こども定点2024」の結果のうち、学年変化(学年が上がるにつれての変化)に関する分析結果を、4月21日に発表した。同調査は、全国の小学4年生〜中学3年生の男女2400名に対して、2024年9月13日〜10月8日の期間に行われている。

調査対象者に、さまざまな体験71項目について「ふだんしていること」を尋ねたところ、「公園に行く」「友だちと遊ぶ」「外で体を動かして遊ぶ」といった遊びや屋外活動を「よくしている」としたスコアは、小学4年生から中学3年生でいずれも20ポイント超低い。「友だちと遊ぶ」の項目は、小学4年生から中学3年生でほぼ半減した。

「ふだんしていること(よくしている)」における、「メッセージアプリ、チャットアプリを使う」「SNSをみる、投稿する」のスコアは、小学4年生〜中学3年生で30〜40ポイント超高くなる。中学3年生では「メッセージアプリ、チャットアプリを使う」は58.3%、「SNSをみる、投稿する」は51.8%に達している。

同じ体験71項目について、「これからしたいこと」を尋ねた質問では、「家族と遊ぶ」と「家族と勉強する」のスコアがどちらも小学4年生から中学3年生で20ポイント以上低下した。学年が上がるにつれて、家族との活動が減っている様子がうかがえる。

参考にする考えや意見を尋ねたところ、「お父さんの意見」のスコアは小学4年生(75.3%)をピークに、中学3年生にかけて低くなる。「お母さんの意見」も、学年が上がるにつれて低くなるものの、中学3年生でも83.5%となっている。

周囲の人との関係性を尋ねた質問では、「よく話をするほうだ」「自分のことをよくわかってくれていると思う」「困ったことや悩みを相談できる」において、「お母さん」と比較して「お父さん」との関係性に関わるスコアが、学年が上がるにつれて顕著に低くなる。

大切だと思うものを尋ねたところ、「学力や学歴」と「見た目」のスコアが、どちらも小学4年生から中学3年生で10ポイント以上高くなっている。

人柄や性格を表す29の言葉で聞いた「いまの自分」(複数回答)は、小学4年生から中学3年生で「かわいい」に加えて、「明るい」「負けず嫌い」「おもしろい」のスコアが10〜20ポイント近く低くなる。一方で、「ひかえめ」のスコアは10ポイント高くなった。

自己評価について尋ねた質問では、「いまの自分に自信がある」のスコアが小学4年生の30.8%をピークに、中学3年生にかけて10ポイント超低くなっている。一方、「自分のことは自分で決めている」は10ポイント超高くなり、中学3年生では57.3%に達した。

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