日本英語検定協会は、同協会が実施・運営する「実用英語技能検定」(英検)を活用した、大学入試の出願デジタル化に向けた基本合意について、ODKソリューションズと締結したことを3月14日に発表した。

今回の基本合意では「英検」のデジタル証明書とODKソリューションズが提供する「UCARO出願」(Web出願システム)を連携させることによって、「UCARO出願」活用大学での2026年度の大学入試から、「英検」のデジタル証明書を活用できるようにする。
昨今は、全国の高校や大学入試で英検をはじめとする外部検定試験が広く活用されている。なかでも英検は、大学入試において受験生が利用した外部検定試験の約9割を占める(2024年度一般選抜、旺文社 教育情報センター調べ)。
検定試験運営団体では、Webでの成績公開は実施していたものの、紙の証明書が受験者の手元に届くまでは1週間程度かかる状況だった。そのため大学志願者が外部検定試験を大学入試に利用する場合は、紙の証明書が届くのを待ちつつ、大学に送付する期間を考慮して出願タイミングを決める必要があった。
「英検」のデジタル証明書と「UCARO出願」を連携させることで、「英検」の合否公開日当日からデジタル証明書の発行、および大学への提出が可能になる。大学志願者にとっては出願直前まで「英検」に挑戦する機会が広がり、より高い級資格・スコアで大学入試に臨めるようになる。

また、大学の入試担当者にとっては、志願者から届く外部検定試験の紙の証明書を開封・チェックして、不備がある場合は志願者に個別に連絡して訂正を行うなど、非常に手間がかかっていた。システムで成績照会する場合も、生年月日が一致しないケースがあり、視確認でチェックする場合はミスが発生する危険性も考えられる。
しかし、「英検」のデジタル証明書と「UCARO出願」の連携で、出願時に大学志願者と「英検」のデジタル証明書とを紐づけ、自動でチェックを行えるようになる。大学の入試担当者は、目視確認でのチェック工程がなくなり、個人情報不一致による志願者への問い合わせ負荷が減らせる。
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