オリィ研究所は、移動困難当事者が分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」を通じて、学校の授業や修学旅行といった教育現場で講演を行う教育プログラムの提供を開始したことを、2月27日に発表した。

同プログラムでは、病気や障害、介護や子育てといったさまざまな理由で外出が難しい移動困難者が、分身ロボットを操作する「OriHimeパイロット」として、学校やオリィ研究所が運営する分身ロボットカフェ「Dawn ver.β」(東京都中央区)などで講演を行う。
プログラム内容としては、まず、オリィ研究所の社員が当日の流れや「Dawn ver.β」がどのような場所なのか、「OriHime」がどんなロボットなのかについて説明する。
実際にカフェで働くOriHimeパイロットによるミニ講演では、「移動困難でありながら働ける」という道を選ぶに至った当事者の半生を直接聞くことによって、社会や自分の周りにある身近な課題について理解を深められる。
講演後は、パイロットへ質問できる時間が設けられており、事前学習で考えてきたことの発表機会としても使える。
最後に全体のまとめを行い、プログラム終了となる。
また、同プログラムでは「Dawn ver.β」にて実施する「修学旅行/校外学習」と、学校の教室や体育館などで実施する「出張授業」の2種類を用意しており、費用の見積もりなどは専用フォームから問い合わせることができる。
「修学旅行/校外学習」では、テクノロジーの進化によって働く選択肢を得た人々が、分身ロボット「OriHime」や「OriHime-D」を遠隔操作して「Dawn ver.β」でサービスを提供する姿を実際に感じられる。これにより、参加者のより深い理解が期待できる。


「出張授業」では、授業の目的や内容に合わせて、パイロットが遠隔で講演を行う。学校側は、あらかじめ郵送された「OriHime」を授業の場所となる教室や体育館に設置・セッティングし、オンライン会議システムを別途用意する。その後、パイロットが「OriHime」とオンライン会議システムにログインして講演を実施する。その際、同社が生徒用ワークシートと教員用指導案をセットで提供し、スムーズな授業運営をサポートするため、教員の授業準備の手間を減らせる。対象は、中学1~3年生、高校1~3年生、専門学校生、大学生、特別支援学校生。

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