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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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GIGAスクール構想時代における学級担任のススメ

「Google Classroom」の課題と資料、どう使い分ける? 児童生徒同士で共有する方法も紹介

GIGAスクール構想時代における学級担任のススメ 第10回

具体的な課題設計のポイント

一郎
さて、次は具体的な課題設計についてだね。課題を出すときには、まず「子どもたちにどのような学びを経験させたいのか」「何を、どのように評価したいのか」をはっきりさせるのが大事だよね。そのために「バックキャスティング」という考え方を使うのも効果的だと思うよ
バックキャスティングですか? それはどのような考え方なんでしょう?
一郎
目指すゴールを先に描いて、そこから逆算して必要なステップを設計する方法だよ。例えば「発表会を行うというゴールがあって、どのような役割や練習が必要か」といったように逆算することはバックキャスティングと言えるね。ほかにも、算数の授業なら「異分母の分数の足し算の考え方をしっかり理解しているか確認したい」というゴールがあるとする。そのゴールに向かって、単に計算問題を出すだけじゃなくて、「その答えにたどり着いた理由を記述する」ような課題を作ると、ゴールに対応した課題となってくるんだ
なるほど、計算だけじゃなく、どのように考えたかを記述させることで、思考のプロセスも見られるんですね
一郎
そういうこと。このように、ICTを用いて課題を出すときは、何かしらの思考を働かせる活動をメインに据えることを考えるといいと思う。例えばプロジェクト型学習を提示して、それぞれが主体的に取り組むとかね
プロジェクト型学習ってどんな学習ですか?
一郎
例えば、社会科で「自分たちの住む地域の観光案内を作ろう」というプロジェクト型の課題を設定する場合を考えてみよう。情報収集、プレゼン資料の作成、発表といった一連の活動を通して、調査力や協働力も評価できるよ。この場合、事前にどのような視点で評価するのかという評価基準を子どもたちと共有しておくと、より効果的に取り組ませることができる。評価基準が明確だと、活動全体をどう進めればいいかも見えやすくなるからね
なるほど。ただ提出するだけじゃなくて、取り組むプロセス全体を評価できるのは魅力的ですね。それに、評価基準を先に共有しておくことで、子どもたちが何を意識すればいいかもわかりやすくなるんですね
一郎
そうだね。どのような課題でも、評価基準をあらかじめ明確にしておくことが重要だと思うよ。それについてはまた後で説明するね(筆者注:次回以降に解説予定です)。そして、この学習を紙主体でやると、とんでもなく大変なんだよ
どういうことですか?
一郎
総合的な学習の時間などで調べ学習(筆者注:あえてこう呼びます)に取り組んだとき、紙主体で進めるとなると「メモ用紙」があったよね
そうですね。本やインターネットから調べたことをメモするためのものとして、割と一般的ではないですか?
一郎
そう。でも、よく考えると、メモされている情報ってすでに子どもたち一人ひとりによって取捨選択されている情報で、どのように取捨選択したのかを見取ることはできないし、一次情報に再度アクセスしようとすると、URLがとんでもなく長くて写し間違えていたり、「検索エンジンでこのキーワードで調べて出てきました」みたいなメモをしていて、二度とたどり着けなかったりする
それもあるあるですね
一郎
じゃあメモ用紙に一字一句逃さずにメモするのかといえば、それは時間的にも無理だよね。写真とかイラストとか図解とかもそう。写すことに時間がかかりすぎてしまい、本来の学習活動ではないところでの負担が大きいのが、紙主体での調べ学習だった
それが、ICTだとどう変わるのですか?
一郎
まず、一次情報へのアクセスが圧倒的に楽になった。URLはコピーして貼り付けるだけでよくなった。写真もイラストも図解も、そのままの状態でコピーできるようになった。もちろん、資料として使う際には引用元の表記などのルールを教えることは必要だけど、その時間を含めたとしても圧倒的に時間が短縮されるようになったんだ
時間の短縮は大きいですよね。文字の丁寧さなどにこだわらなくてもよくなったのは、一生懸命書いていたのに字が雑だと言われてしまっている子にはありがたい話だと思います
一郎
そして……
あ、まだあるんですね
一郎
そして、共有することが簡単になった。調べたこと、元の情報、自分の考え、今後の方針などを、同期的に共有できるようにもなった
それもありました。これはICTというよりはクラウド基盤によって実現されたことだと思いますが、同じ意味として捉えて考えると、この影響も大きいですね
一郎
そうだね。だから、Classroomで課題を出すときには、子どもたちが協働的に学べるように、作ったものを見合えるようにしておいてほしい
そのあたり、詳しく教えてください
一郎
では、クラス全体への共有の仕方をいくつか紹介しよう。自分に合ったやり方を見つけてみてね

次のページ
解説「クラスメイトが作ったものを共有する」

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この記事の著者

鈴谷 大輔(スズヤ ダイスケ)

 公立小学校教諭。プログラミング教育の教員コミュニティ「Type_T」代表。みんなのコード プログラミング教育 養成塾(2019夏期集中コース)修了。プログラミング教育関連のイベント運営に複数携わる。放送大学「Scratchプログラミング指導法」ゲスト出演。Maker Faire Tokyo 201...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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