パーソルビジネスプロセスデザインは、教員の長時間労働を軽減する同社の校務BPOソリューション「ClaCro(クラクロ)」が提供するサービスの第1弾として、テストにおける「問題の作成・採点」「成績処理」などの一連の業務をデジタル化する「オンライン試験実施支援サービス」を開始したことを、12月9日に発表した。
働き方改革に向けた取り組みが進むなか、教員の勤務時間は減少傾向にあるものの、1カ月の残業時間が45時間以上に相当する教員は中学校で77.1%に上る(文部科学省「教員勤務実態調査」より)。文部科学省が掲げる「将来の残業時間を月20時間程度に減らす」という目標との乖離も課題となっており、さらなる業務効率化に向けて教育DXの推進が急がれているが、システム導入時の作業負担や心理的負担が高いハードルとなっている現状がある。
「ClaCro」の「オンライン試験実施支援サービス」は、「問題の作成・採点」「成績処理」などをデジタル化し、システムでは補えない部分を同社の担当者がサポートする。システムに苦手意識の高い教員も必要最低限の作業のみで利用でき、教員の業務負担を軽減して教員が本来専念したい「新しい授業の探求」などに取り組める環境の構築を支援する。
問題搭載・試験設定
作成したテスト問題のシステムへの搭載作業を同社が代行するため、教員は最低限の作業(問題の用意と内容の確認)で試験を実施できる。
記述式問題の採点サポート
記述問題はシステムによる自動採点が難しいため、同社が目視で採点する。教員は文章で回答する論述問題のみ採点を行う。
テスト結果の加工
システムから出力したデータ(点数や正解率)を教員が成績処理を行いやすい形式(大問別・観点別の点数表など)に加工する。
アカウント登録や各種詳細設定
システム利用開始時に必要なアカウント登録を同社が代行し、クラス分けの設定や転入生の追加などの対応も行う。また、各種問い合わせの専用窓口(電話・メール)を設置し、教員の要望に応じて作業を代行する。
「オンライン試験実施支援サービス」の導入において、ユーザー側で実施するのはシステムのインストールのみで「各種セットアップ」「アカウントの登録・設定」「データの移行」といった作業はすべて同社が代行する。
同社は今回提供する「オンライン試験実施支援サービス」を皮切りに、今後「校務支援サービス(2026年度提供開始予定)」および「学校業務支援サービス(2027年度提供開始予定)」など、教員の負担を減らすBPOサービスの拡充を図ることで、教員の残業時間の20%削減を目指す。
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