これまでの問題の解消に向けてアップデートされた端末
これまでのGIGAスクール構想第1期では端末の物理的な故障が大きな問題となっていた。落下による破損だけでなく、キーボードのキートップを意図的に外してしまうなど、大人が思いもよらない行動を子どもたちがとることによって壊れてしまうケースも続出している。
これを受けて、今回のEDIXで展示されていた端末はどのモデルも「壊れにくさ」を大きくアピール。米軍MIL規格に準拠し、堅牢性に優れたモデルを多数展示していた。公立小学校の教諭で、特定非営利活動法人タイプティーで代表を務める鈴谷大輔先生は「どのメーカーさんも、これまでに起きたトラブルを教訓に対策をとっていると感じました」とコメントした。
また、第1期ではタッチペンが付属しないモデルも用意されていたが、今年1月に文部科学省が通達した、GIGAスクール構想第2期における「学習者用コンピュータ最低スペック基準」では、タッチペンが必須とされているため、ほとんどの児童生徒向け端末で標準装備されるようになった。
レノボ・ジャパン
レノボ・ジャパン(以下、レノボ)はChromebookの2モデル、Windows端末の1モデルを展示。なお、Chromebookの2モデルは正式発表前の試作・サンプル機となり、仕様が変更される可能性がある。
「Chromebook Duet EDU G2」はデチャッタブルタイプの端末で、MediaTekのCPUを搭載。専用ケースとセットで販売される。サイズは10.95インチで、重量は約1.1kg。2024年夏以降に正式に発表される予定。
コンパーチブルタイプの「500e Chromebook Gen 4s」はインテルのCPUを搭載しており、サイズは11.6インチで重量は約1.4kg前後。最大の特徴はバッテリーの交換が可能な点で、5年間使用する中で大きな壁となる「充電が持たない」問題を解決する手段のひとつとなる。こちらは2024年冬以降に発表予定。
Windows端末の「300w Yoga Gen 4」はコンパーチブルタイプで、インテルのCPUを搭載。サイズは11.6インチで、重量は約1.25kgからとなる。こちらのモデルの特徴はタッチペンだけでなく一般的な鉛筆でも書ける点だ。児童生徒がペンを忘れたり紛失したりした際も、一時的な対応として鉛筆が利用できる。
なお、同社のブースでは端末の展示だけでなく、端末導入時に含まれるソリューション・サービスも紹介されていた。教材としては、エルモカンパニーが提供する児童生徒向けの表現活動ツール「ピクチャーキッズ」「デイジーピックス」や、レノボと東京書籍、キッズプロジェクトによるプログラミング教材「みんなでプログラミング」、かんがえるとFuture Learning Labがそれぞれ提供するデジタル・シティズンシップ教材が無料で付帯する。
また、来場者から反響が大きかったというのが「予備機運用サービス」だ。こちらは導入した予備機をレノボが預かるサービスで、学校での置き場所に困ることがなく、温度や湿度による故障を防ぐこともできる。なお、故障して予備機と交換した際も保証期間内の1年以内であれば修理後の端末は予備機に戻されるため、予備機の台数が減ることはない。
さらにオプションとして提供される「レノボ・メタバース・スクール(LMS)」のサービスも紹介。感染症による学級閉鎖時にも学べる場として期待できる。