EdTechZineを運営する翔泳社より、3月18日(月)に書籍『思考力アップ 大学入学共通テスト「情報I」[なるほどラボ]』が発売となりました。
本書は情報教育の第一線で活躍する永野直氏と稲垣俊介氏が手掛ける、大学入学共通テストの情報Iを攻略するための参考書です。情報Iは2022年度から高校の必履修科目となり、2025年1月から共通テストの科目に加わります。
情報Iのテストでは暗記して解答する一問一答や穴埋め問題ではなく、何をどう解答すればいいのかを読み解く必要のある複雑な長文問題が出題されるため、暗記力よりも問題解決能力が重要です。
本書では情報Iの4単元すべてを網羅しつつ、なによりも問題解決能力を磨くための工夫を凝らしています。特にテストの問題形式は会話文中心のため、本書で生徒と先生の会話による解説を読むことで、「問題解決する経験」を「追体験」できます。
苦手意識を持ちがちなプログラミングやデータの活用に関するポイントも押さえているので、効率よく学習したいならぜひ本書を活用してみてください。
受験生だけでなく、学校の先生にとっても役に立つ参考書です。
はじめに 永野直
「情報I」の授業は、学習する様々な情報技術が、私たちの生活の中でどのように役立っているのか、それはどのような仕組みで動き、実現されているのか、ということについて考え、自分たちの生活や社会の中での問題解決に生かしていこうとするための学びです。
皆さんが「情報I」で学習する内容は、家や学校など日常生活のあらゆる場面に散りばめられています。日々使っているスマートフォンや、インターネットでの楽しく便利な体験など、そのすべてに「情報」で学ぶ事柄が関係しています。そこで感じる「なぜ?」「どうして?」「どうやって?」という素朴な疑問を大事にしてください。そしてその疑問はそのままにせず、納得するまで調べ、考えることが「問題発見・解決能力」を身につけることにつながるのです。
「情報I」の共通テストでは、テーマは毎回多様なものが取り上げられ、与えられた資料から情報を読み解いていく思考力が問われます。そのため、この本は「覚える」のではなく「考える」ことを習慣化してもらうために作成しました。日々の生活や授業でも、本書を参考に疑問に思ったことをそのままにせず、どんどん試してみる、という姿勢を身につけてください。
この本でそのエッセンスを感じていただき、本書の内容だけにとどまらず、自分と「情報」の結びつきについて考える習慣を身につけ、「問題発見・解決能力」を身につけるための一助となれば幸いです。
はじめに 稲垣俊介
私たちが日々生活するこの社会は、さまざまな情報で満ち溢れています。これには、データとしての情報も、情報技術に関する情報も含まれます。これらの幅広いテーマを包括するのが、「情報I」という科目です。多岐にわたり、膨大な内容に感じられるかもしれません。しかし、この本では、単なる知識の習得にとどまらず、むしろ思考する過程に重点を置いています。私たちの周りにあふれる情報をどのように分析し、検討し、考察するかが重要なのです。
近年の大学入学共通テストでは、単に情報を記憶する問題よりも、与えられた情報をどう分析し、思考するかが重視される問題が多く出題されています。これは、社会が求める能力がそのような方向にシフトしているためでしょう。Web を通じてあらゆる情報が手に入る現代では、情報を単に記憶するよりも、それをどのように分析し、思考するかがより重要視されています。この本で学ぶ目的は、まさにその点にあります。
この本を作成するにあたり、筑波大学での情報科指導法の講義に参加された学生の皆さんの貴重な意見や発表が大いに参考になりました。また、私の授業を受けた高校生の皆さんの感想も、この本の作成に大きく貢献してくれました。心から感謝申し上げます。
この本は、情報を深く理解し、思考する能力を養うことを目的としています。日々の情報をただ受け入れるのではなく、それを論理的に分析し、考察することで、思考力を一段と高めるための指南書です。この思考力は、日常生活や学業、そして将来のキャリアにおいても大きな役割を果たすことができると信じています。
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渡部 拓也(ワタナベ タクヤ)
翔泳社マーケティング課。MarkeZine、CodeZine、EnterpriseZine、Biz/Zine、ほかにて翔泳社の本の紹介記事や著者インタビュー、たまにそれ以外も執筆しています。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社
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