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イベントレポート(ICT活用)

1年生から端末を活用する洗足学園小学校──ICTを日常づかいする「めっちゃGIGA」に必要なことは?

洗足学園小学校「Open Day 2023『ICTの日常づかいとデジタル・シティズンシップ教育で新しい学びを創造しよう』」レポート

 ICT活用の先進校として注目される洗足学園小学校は2018年、「『サファリ』って何?」という、ICTの知識がほとんどない教員もいる状態から活用をスタートした。詳しい教員がいない中での試行錯誤を経て、今や全学年がiPadを日常づかいするまでに至った。同校が毎年開催している公開授業の「Open Day」では、子どもたちが主導してICT活用の発表をするなど、学校外に向けての発信も積極的に行われている。本稿では、2023年11月に開催された「Open Day 2023『ICTの日常づかいとデジタル・シティズンシップ教育で新しい学びを創造しよう』」から、公開授業と国際大学GLOCOM 准教授・主幹研究員の豊福晋平氏による特別講演の様子を紹介する。

洗足学園小学校「Open Day 2023『ICTの日常づかいとデジタル・シティズンシップ教育で新しい学びを創造しよう』」
洗足学園小学校「Open Day 2023『ICTの日常づかいとデジタル・シティズンシップ教育で新しい学びを創造しよう』」

「奇跡の学校」と呼ばれた洗足学園小学校

 洗足学園小学校の「Open Day 2023」には、北海道から沖縄まで、全国から100人以上の教育関係者が集い、同校の公開授業を見学したほか、講演やワークショップに参加した。

 Open Dayの冒頭、校長の田中友樹氏があいさつを行い、その後、教頭の赤尾綾子氏が同校のICT活用の歩みを紹介した。

洗足学園小学校 校長 田中友樹氏
洗足学園小学校 校長 田中友樹氏

 赤尾氏は「最初『サファリ』と聞いて、アフリカを想像した」「子どもがiPadを土に埋めた」といったICT導入初期のエピソードを披露。ICTに詳しい教員がほとんどいないにも関わらず、全国有数の活用校となったことで「奇跡の学校」と呼ばれるに至ったことを語り、今回公開する授業は全クラスが特別ではない「普通」の授業であることを伝えた。

洗足学園小学校 教頭 赤尾綾子氏
洗足学園小学校 教頭 赤尾綾子氏

1年生からiPadを当たり前に使いこなす

 公開授業は5時間目に行われ、1年生から6年生まで、全学年の授業を見学することができた。教科も国算理社英のほか、道徳や体育と幅広く、それらのすべてで当たり前のように子どもたちが「iPad」を活用する姿が見られた。

 また、1年生、3年生、5年生では、現在同校が注力しているテーマのひとつである「デジタル・シティズンシップ教育」の授業が行われていた。

 1年生の道徳「これはヒミツ」では、個人情報をテーマに「知らないひとに話してよいこと、いけないこと」を考えて、「ロイロノート・スクール(以下、ロイロノート)」に書き、自分の意見を発表した。3年生のテーマは「メディアバランス」。ピラミッドチャートで自分がどのように時間を使っているのか可視化し、自らのメディアバランスについて考えた。

 5年生は「責任ある発信」というテーマで、外部に向けた洗足学園小学校の新聞をつくるという想定のもと、著作権や肖像権について学んだ。班で「このイラストはダメかな」などと話し合い、外部に発信する際の画像について考え、文章の校正を行った。

5年生は外部向けの学校新聞作成を通じて学ぶ
5年生は外部向けの学校新聞作成を通じて学ぶ

 3年生の社会では、公害について調べた内容を班で「Keynote」を使ってスライドにまとめた。1つのファイルを班で共有し、数人で資料を作り上げたという。スライドに使う画像は児童のアイデアを教員が「ChatGPT」で生成するなど、生成AIを積極的に活用している様子も印象的だった。

公害についての発表を行う3年生
公害についての発表を行う3年生

 2年生の体育では、体育館に設置されたグリーンバックの前で、各自がマット運動を行い、その様子をiPadで動画におさめていた。「Clips」や「iMovie」を使い、自分が行ってみたい世界の名所の写真と組み合わせた。

手慣れた様子でiPadの撮影を行う2年生
手慣れた様子でiPadの撮影を行う2年生

 いずれの授業でも、教員が特別な声がけや指導を行うことなく、子どもたちはiPadの使い方を各自で考え、それぞれのベストな方法で活用していた。

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目指すべきは、ICTが日常づかいとなる「めっちゃGIGA」

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この記事の著者

相川 いずみ(アイカワ イズミ)

 教育ライター/編集者。パソコン週刊誌の編集を経て、現在はフリーランスとして、プログラミング教育やICT教育、中学受験、スマートトイ、育児などの分野を中心に、取材・執筆を行っている。また、渋谷区こどもテーブル「みらい区」を発足し、地域の子ども達に向けたプログラミング体験教室などを開催している。一児の...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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