ウィンドウズ デジタルライフスタイル コンソーシアム(以下、WDLC)は6月13日、東京・赤坂インターシティコンファレンスにて記者発表会を開催し、プログラミング教育をいち早く取り入れたい小学校100校に、教育用マイコンボード「micro:bit」を無償提供する「MakeCode×micro:bit 100プロジェクト」の開始を発表した。
プロジェクト発足の背景には、日本国内でのICT教育の本格的導入に向けた動きの加速化がある。新学習指導要領では、2020年度に小学校でプログラミング教育が必修化され、2021年度には中学校でプログラミング教育が拡充、2022年度には高等学校でプログラミング教育が必修化されることが定められている。
しかし、教育の現場でも具体的な指導方法などが明確化していないケースが多く、これから本格的に検証していく段階となっている。
こうした背景から、実際の教育の現場や家庭でのICT教育につながる活動ができないか、さまざまな角度から検討し、本プロジェクトが発足した。
プロジェクトの詳細
WDLCは、オープンソースのプログラミング学習環境「Microsoft MakeCode(以下、MakeCode)」と、イギリスのBBCが開発した教育用マイコンボード「micro:bit」を活用した「プログラミング教育授業案」を作成。
「MakeCode」は指令が書かれたブロックを組み合わせて操作できるビジュアルプログラミングを採用する一方で、JavaScriptによるプログラミングにも切り替えられるため、幅広い層のプログラミング教育に対応している。
「micro:bit」は加速度や光、温度を感知するセンサー類やLEDを内蔵しており、既存の教科と連動しやすい。そのため、小学生向けのプログラミング教材に適しているといえる。
この「プログラミング教育授業案」は、各学校の授業で活用することを目的に、授業計画書とサンプルとなるプログラムコードを作成・開発し、授業実施後の報告書をまとめたキット。また、授業案だけでなく学校外のワークショップや家庭で学べるサンプルコードも併せて開発し、「プログラミング教育授業案」を含めた合計30コンテンツがWDLC特設サイト上で無償公開される予定だ。
今回発表された「MakeCode×micro:bit 100プロジェクト」は「プログラミング教育授業案」を実際の教育現場でより活用し、その事例を新たな実践につなげるエコシステム構築を目的として発足。小学校100校に「micro:bit」を20個ずつ、合計2000個を無償提供し、WDLC開発の授業案やサンプルコードを参考にしながら、各小学校で独自に授業を実践してもらう。授業の模様はWDLCへ実施報告書として提出する必要があり、これを新たな「プログラミング教育授業案」としてWDLC特設サイト上に公開する仕組みとなっている。
記者発表会にて、WDLC会長の梅田成二氏は「新しい教育を受けた子どもたちが大人になった未来を想像するとワクワクする。熱い想いを持っている先生、学校にぜひご応募いただき、そんな未来を一緒に作っていきたい」と、プロジェクトへの意気込みを語った。
「MakeCode×micro:bit 100プロジェクト」は6月20日より公式サイトにて募集が開始され、7月6日に締め切り、選定が行われる。「micro:bit」の納品は7月20日を予定している。
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