ガクシーは、全国の学生と保護者1100名を対象に実施した、「奨学金に関する実態調査2023年」の結果を11月7日に発表した。同調査は、8月29日〜9月5日の期間に行われている。あわせて、同社の運営する奨学金プラットフォーム「ガクシー」の会員503名にも、9月1日〜30日の期間に同様の調査が実施され、一般の学生・保護者と「ガクシー」利用者との、奨学金受給や理解に対する比較も行った。
調査対象者のうち、奨学金を受給している一般の学生・保護者に受け取った奨学金の内訳について尋ねたところ、「貸与型」が約8割、「給付型」が約3割となっている。
受給した奨学金の種別を尋ねた質問では、「JASSO貸与奨学金」(51.2%)がもっとも多く、「JASSO給付奨学金」(20.6%)がそれに続いた。一方で、「民間奨学金運営団体からの給付奨学金」は6.5%に留まっている。
調査対象者に、奨学金に対する印象を尋ねたところ、「借金なので怖い」という回答が48.4%を占めた。一方で、「家計の負担を軽減できて嬉しい」(27.8%)、「進学できる可能性が生まれ、嬉しい」(18.0%)といったポジティブな回答も寄せられている。
奨学金に対する印象として「借金なので、怖い」と答えた人のうち、奨学金を受け取っていない学生は70.7%に達した。
奨学金の知識として、奨学金の種類は現在約1万6000件以上あり、借りるだけではなくもらえる奨学金も多数あることを認識しているのは約3割に留まった。「給付奨学金自体は知っていたが、その種類が多数あることは知らなかった」(32.8%)、「自分や自分の子どもは対象にならないと思っていた」(21.4%)といった回答が多く寄せられている。
給付奨学金が多数あることを知らず、「奨学金は借りるものだと思っていた」と答えた学生は16.5%で、そのうち奨学金を受給していない学生は84.6%に達した。
奨学金の情報源を尋ねたところ(複数回答)、「教員・学校からの紹介」(40.6%)が最多となり、以下「学校開催の説明会」(32.7%)、「学校で配布・掲示された資料」(28.3%)が続く。奨学金の情報を得るほとんどが学校や教員・職員から提供された機会であり、アナログな情報源であることが明らかになっている。
調査対象者のうち、給付奨学金を受給した学生・保護者で「SNSや情報サイトなどインターネットからの情報」を活用したのは9.9%だったのに対して、「ガクシー」ユーザーは37.8%だった。「ガクシー」ユーザーにおける「民間奨学金運営団体からの給付奨学金」受給状況(29.6%)は、一般の学生・保護者(6.5%)と比較して約5倍に達している。
給付奨学金に対する理解では、「ガクシー」ユーザーは一般の学生・保護者に比べて貸与奨学金のほかに給付奨学金が多数あることを理解していた。「奨学金は借りるものだと思っていた」という誤った認識を持つ層は、一般の学生・保護者が16.5%だったのに対して、「ガクシー」ユーザーは2.2%と少なかった。
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