ゼッタリンクスは、「Google Workspace for Education」の拡張機能と画面モニタリングアプリ、教材テンプレートをバンドルした「Suiteツール for Education」を全国の教育機関向けにリリースしたことを、10月12日に発表した。2024年にサービスが終了する「Google Jamboard」の「ふせん」機能のデータを「Google スライドへ」変換する機能も搭載する。
2024年に「Google Jamboard」はサービス終了となり、これまで作成してきたJamファイルは2025年以降完全に閲覧不可となる。「Google Jamboard」の代わりとなるホワイトボードアプリはいくつかあるが、アカウントの新規作成や操作の習得など、授業で使い始めるまでには多くの時間を要する。
一方で、Googleアカウントがあれば誰でも使える「Google スライド」なら初期設定不要ですぐに活用できる。「Suiteツール for Education」には「Google スライド」でふせんを使った授業が行えるよう「ふせん」機能が搭載されており、「Google Jamboard」のふせんで制限されていた文字数やリンクの挿入、複数選択が実現可能となる。また、ふせんにコメントしたり誰が書き込んだのかを確認したりもできる。
また「Suiteツール for Education」には、Jamファイル内のふせんのデータを「Google スライド」で使用できるよう変換する機能を搭載。ふせんのデータを移行することで、学習履歴のバックアップのほか、「Google スライド上」でよりスムーズに協働学習を継続することが可能となる。
さらに「Suiteツール for Education」に搭載されている「ふせん集計」機能を使うことで、ふせんの色別集計やテキスト、画像の抽出が行える。ふせんの枚数をグラフで表すことで、意見を可視化したり入力された内容を一覧表示して比較したりすることも可能。テキストマイニングツールを用いた授業の理解状況の把握など、発展的な学習にも活用できる。
さらに「縦書き・ルビ」変換機能や「数式エディタ」を搭載。「縦書き・ルビ」は行番号や段組みにも対応しており、PDF変換や印刷時にも縦書きのまま出力できる。「数式エディタ」では、単元ごとに分類されたリストから選択するだけで世界標準のTex(テフ)形式の数式が挿入される。数式は編集可能のため、数値だけを変えることで使いまわしできる。
Suiteツール for Educationに含まれるもの
「Suiteツール for Education」は、教員と児童生徒がより効果的にICTを授業に取り入れられるよう、日本の学習環境に合わせた便利な機能を搭載した「Google Workspace for Education」の授業支援ツール。「Google スライド」や「Google ドキュメント」などのアプリからシームレスにつながる拡張機能(3種)に加え、授業中の児童生徒のデスクトップ画面を一覧表示するモニタリング機能を提供。また、教員の授業準備の負担を軽減するテンプレート作成支援や、Googleアプリを使った教材テンプレートもあわせて提供する。
Googleアプリの拡張機能
以下はGoogleアプリの拡張機能として追加され、アプリ内のサイドバーにメニューが表示される。Googleアプリの画面デザインや基本操作はそのままにシームレスに使用できるため、一から操作を覚えることなく誰でも手軽に使える。
- 「Suiteツール」(教員向け):ふせん、縦書き・ルビ、数式エディタほか
- 「こどもSuite」(小学生向け):ふせん、50音順ソフトキーボード、学校イラストほか
- 「まなびSuite」(中高生向け):ふせん、タイトル文字、表スタイルほか
Webアプリ(Chromeブラウザ推奨)
- Suiteモニター:児童生徒のデスクトップ画面をリアルタイムでモニタリングする機能
- Suiteコンバーター:「Google Jamboard」などのホワイトボードアプリからふせんのデータ(色・テキスト)を抽出し、「Google スライド」に取り込めるように変換する機能
その他
- 教材テンプレート(200種以上)
- オリジナルテンプレート作成支援
なお同社では、ふせんや縦書き機能を試せる「Suiteツール(個人向け)」を「Google Workspace Marketplace」に公開しており、現在30日間無料トライアルを実施している。
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