YEデジタルは、同社が提供する「学習者用デジタル教科書キャッシュ機能」を搭載した、学校ネットワークアクセス管理装置「NetSHAKER W-NAC」について、鹿児島市教育委員会の検証で、鹿児島市内の大規模校を含む小中学校、計36校が採用し、11月から運用を開始することを、9月26日に発表した。同市では、検証校2校を含め合計38校で運用が始まることとなる。
鹿児島市教育委員会は、児童生徒1人1台端末での「学習者用デジタル教科書」や学習コンテンツなどの活用を推進している。しかしデジタル教科書やデジタルドリルを使うため一斉にインターネットにアクセスすると、ベストエフォート型の回線では状況によって負荷がかかり通信遅延が発生するなど、状況改善のための通信負荷軽減が課題になっていた。
そこで鹿児島市教育委員会は、より安定した通信環境の実現のためのひとつとして、まずは小中学校それぞれ1校に「NetSHAKER」を設置し、5月31日より検証を開始。きちんとキャッシュできるか、また通信負荷の状態などを確認した。
今回の「NetSHAKER」の検証結果
- デジタル教科書だけでなく、デジタルドリルのキャッシュができることを確認できた。キャッシュヒット率は90%以上。
- キャッシュ対象がキャッシュできたことでインターネットへの通信負荷が軽減でき、授業が止まるリスクを大幅に削減できた。
- キャッシュ対象以外のもの(教員の調べものなど)も、通信負荷が軽減したことで快適に使用できた。
「学習者用デジタル教科書キャッシュ機能」は、配信クラウドから取得したコンテンツを「NetSHAKER」 内に一時的に保存し、同じコンテンツに児童生徒がアクセスする際に、保存したコンテンツから応答させる機能。インターネットへのアクセス量を削減でき、回線の負荷を軽減する。これにより、アクセスが集中することの多いデジタル教科書の快適な活用環境の構築につながる。
デジタル教科書配信クラウド会社、以下2社のプラットフォームに格納されているデジタル教科書のコンテンツをキャッシュできる。
- Lentrance「Lentranceプラットフォーム」
- 富士ソフト「みらいスクールプラットフォーム」
また学習者用デジタル教科書以外に、学校向けコンテンツ「NHK for School」の視聴も可能。
「NetSHAKER W-NAC」はICT環境の導入・運用・管理を支援する学校ネットワークアクセス管理装置。学校インターネット環境で必要となる各種サーバ機能だけでなく、文部科学省の「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(令和元年12月版)」で推奨されている各種セキュリティ機能を搭載している。
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア