この言葉、ご存じでしょうか
教育に関わる仕事をしていると、多くの人に出会いませんか。出会うのは子どもたちだけでなく、保護者や同僚、地域の方など、本当に多様です。
教員は人と出会う仕事だからこそ、大事にしたい言葉があります。
我以外皆我師(われいがいみなわがし)
歴史小説家である、吉川英治さんが記した言葉です。「自分以外のものはすべて私の師である」という意味で、すべての人、もの、ことに対して謙虚に学ぶ姿勢が大事だということです。
では私たち教員は子どもから学ぶことができているでしょうか。私はGIGAスクール構想の推進にあたっても、子どもから学ぶことが大切だと考えています。
そもそもGIGAスクール構想における、端末の活用は順調に進んでいるでしょうか。次に紹介するのは、私が訪問した2つの学校の教員の声です。これらの学校の教員の声を比べてみてください。
端末の活用が進んでいないA中学校の教員
「教員のICTスキルに自信がなく、授業でもICTをあまり活用できていません」
「トラブルの対応に追われてしまい、授業の進度が遅くなってしまいます」
端末活用が進んでいるB中学校の教員
「端末を活用することで、子どもが主体的に学ぶようになりました」
「端末を使うタイミングを子どもに委ねて、子どもが自分に合う学習方法で学んでいます」
2つの学校の教員の声を比較してみると、いかがでしょうか。もうお気づきかと思います。端末活用が進んでいる学校では、端末活用の主語が「子ども」になっています。
「教員が使えないから端末を使わない」と教員を主語にしているのではなく、子どもを主語にして子ども目線での活用を進めています。そのような学校、教員の様子をよく見て、私はさらに気づいたことがあります。
実は、子どもを主語にできる教員は「子どもと一緒に学ぶ」「子どもから学ぶ」ということができるようです。そのような事例を2つ紹介します。