School Voice Projectは、全国の小~高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員を対象に実施した、「スクールソーシャルワーカーと教員向け緊急アンケート」の結果を6月28日に発表した。同調査は、5月3日~6月5日の期間に行われ、452名(スクールソーシャルワーカー:207名、スクールソーシャルワーカー以外の教職員:245名)から回答を得ている。
調査対象者に、教員とスクールソーシャルワーカー(SSW)が一緒に働くことによって、どのような効果が期待できると思うかを尋ねたところ、「視点の多様化による支援の選択肢拡大」「教員の精神的負担の軽減」「外部機関との連携による支援向上」「早期介入による深刻化防止」については9割超が「とてもそう思う」「そう思う」と回答した。「教員の時間的負担の軽減」は「あまりそう思わない」「そう思わない」という回答がもっとも多い。
教員とSSWが一緒に働く上での難しさを尋ねた質問では、「SSWの勤務日数が少なく協働しにくい」「SSWを活用する状況が不明瞭」「SSWに相談するタイミング・方法が不明瞭」を挙げる回答が多かった。「教員がSSWに相談する必要性を感じていない」については、SSWの68%が「とてもそう思う」「そう思う」と回答した一方で、SSW以外では29%に留まった。
SSWの各校への配置として適切な頻度としては、「5日」(46%)が最多となった。しかしながら、「1日」「2日」は12%、「3日」は17%、「4日」は7%と、ばらつきがみられる。
SSW活用についての意見を尋ねたところ、「SSWの勤務時間を増やしてほしい」「SSWの勤務・契約形態を見直す必要がある」「SSWを育成する仕組みが必要」「SSWの活用方法がわからない」「教員にSSWを活用する意識が少ない」「教員の負担軽減にはつながりづらい」「SSWと連携する時間がない」といった意見が寄せられた。
教員に対して、現任校でのSSWとの関わりについて尋ねた質問(複数回答)では、「ケース会議」(47%)、「児童・生徒に関する軽い相談」(37%)、「外部機関についての質問・相談」(27%)が上位を占めている。一方で、「来ていない」(27%)、「関わったことはない」(15%)という回答も多くみられた。
SSWに対して、SSWとして働き続ける上で課題だと感じることを尋ねたところ(複数回答)、「有期契約という身分の不安定さ」(76%)、「勤務校でのSSW活用体制の不整備」(66%)、「非常勤契約による仕事の掛け持ち」(59%)を挙げる回答が多く寄せられている。
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