すららネットは、同社が提供するICT教材「すららドリル」が、高知県教育委員会 小中学校課のICT教材による個別最適化学習の実証事業に採用されたことを、6月23日に発表した。土佐町、越知町、黒潮町、いの町の4自治体の小中学校11校に在籍する小学5年生から中学3年生までの約500人を対象に、2023年度から運用を開始している。
同社は2022年度より経済産業省が推し進めている「未来の教室」実証事業において、同県教育委員会が独自で開発・運用している学習支援プラットフォーム「高知家まなびばこ」を通じて、異なる学習ソフトウェアのデータの管理、活用を行う実証事業を行っている。
県立高校を対象に行っていた「未来の教室」実証事業では、同社が提供するICT教材「すらら」で一人ひとりの理解度、進度に合う学習を可能にした。個々の学習状況を可視化するほか、定期テストや小テストの結果とのデータ連携、またそれらの学習データをもとに個別に声がけするなど、指導者がサポートすることで個別最適な学習による成果が確認できた。
この実績を受けて同県教育委員会では、2023年度は小中学校における個別最適な学習の実現とその成果を実証することとなった。「すららドリル」を活用し、「高知家まなびばこ」を通じて学習データを利活用することによる、児童生徒の学習に対する影響を検証する。
今回の実証事業では、県立高校での取り組みを踏まえて児童生徒の学ぶ意欲の変化について評価指標を設ける。日々の学習データを検証するほか、定期的に学習方略、自己認知、自己効力感などの定性アンケートも実施する。
また教員に対しても使用頻度負担軽減、個別指導、授業改善についてアンケートを実施する。これらのデータを蓄積、分析することにより、児童生徒の状況に応じた効果的な教員のアクションの具体的な物差しを作れることを期待している。今回の実証事業は、教員の役割の変化に向けた具体的な取り組みのひとつと言える。
同社は今回の実証事業を通じて、ICTの活用による個別最適な学習における教員が介在することの意義を明らかにし、均質でより効果的な教育機会の提供を目指す。
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