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ドワンゴ×日本財団のオンライン大学「ZEN大学」、学部やカリキュラム、教員などを発表

 ドワンゴは日本財団との提携のもと、日本財団ドワンゴ学園準備会を設置し、多様化する教育環境・教育格差に対応した新構想のオンライン大学「ZEN(ゼン)大学」(仮称、設置構想中)を2025年4月に開学予定であることを6月1日に発表した。また6月6日に開催された発表会では、学部やカリキュラム、課外プログラム、教員予定者などが公開された。

 ZEN大学は、すべての人たちを対象にした、グローバル社会で活躍するための素養や教養を身につけることを目指すオンライン大学。既存の通信制大学・オンライン大学の多くが社会人を対象としている一方で、「ZEN大学」は高校を卒業してすぐの人々を主な対象としている。初年度の入学定員は5000人(総定員2万人)、1年あたりの授業料は38万円の予定。

 学長には九州大学名誉教授、JST/CRDS上席フェロー、NTT基礎数学研究プリンシパルを務める若山正人氏、副学長には慶應義塾大学名誉教授、大学院大学至善館特命教授の上山信一氏と、アリゾナ州立大学組織研究デザインセンターグローバル・リサーチ・フェローの渡邉聡氏が就任する予定。また、チェアマンとして東京大学教授、OECD教育2030理事、Teach for All Global Board Memberの鈴木寛氏が携わる予定だ。

発表会に登壇したZEN大学の関係者。写真左から、株式会社KADOKAWA/株式会社ドワンゴ 代表取締役社長 夏野剛氏、株式会社ドワンゴ 顧問 川上量生氏、公益財団法人日本財団 常務理事 笹川順平氏、一般社団法人日本財団ドワンゴ学園準備会 代表理事 山中伸一氏、東京大学教授/OECD教育2030理事/Teach for All Global Board Member 鈴木寛氏、九州大学名誉教授/JST/CRDS上席フェロー/NTT基礎数学研究プリンシパル 若山正人氏、慶應義塾大学名誉教授/大学院大学至善館特命教授 上山信一氏、アリゾナ州立大学組織研究デザインセンターグローバル・リサーチ・フェロー 渡邉聡氏
発表会に登壇したZEN大学の関係者。写真左から、株式会社KADOKAWA/株式会社ドワンゴ 代表取締役社長 夏野剛氏、株式会社ドワンゴ 顧問 川上量生氏、公益財団法人日本財団 常務理事 笹川順平氏、一般社団法人日本財団ドワンゴ学園準備会 代表理事 山中伸一氏、東京大学教授/OECD教育2030理事/Teach for All Global Board Member 鈴木寛氏、九州大学名誉教授/JST/CRDS上席フェロー/NTT基礎数学研究プリンシパル 若山正人氏、慶應義塾大学名誉教授/大学院大学至善館特命教授 上山信一氏、アリゾナ州立大学組織研究デザインセンターグローバル・リサーチ・フェロー 渡邉聡氏

 同大学は「実学」を重視しており、社会で活躍する専門家が教員・講師として就任。オンラインだけで大学卒業資格を取得することができる一方で、地域・企業と連携したフィールドワークや国際交流などの課外プログラム活動も用意される。社会が変化していく現場に身を置きながら、他者と協働して正解のない問題に取り組むことで、創造性、リーダーシップ、ストレス対処など、実社会で求められる力を身につけていく。

課外プログラムのイメージ
課外プログラムのイメージ

 開設される予定の学部は「知能情報社会学部」の1学部で、理系・文系の壁を越えて「人文・社会」「情報」「数理科学」「デジタル産業」「クリエイティブ」の5つの学びからなる関連科目が設置される。

 「人文・社会」では、地域・日本・世界の素養を身につける「ソーシャルリテラシー」、経済や企業の動きを知り自らのキャリアにつなげる「ビジネスリテラシー」、物事の捉え方や考え方を獲得する「メタリテラシー」のもと科目を構成する。社会に対する若者の幅広い好奇心に応え、人生やキャリアの指針構築を支援することを目指す。

「人文・社会」のカリキュラム
「人文・社会」のカリキュラム

 「情報」は、国家資格を目指せる知識を習得し、実際に開発を行う実践的な科目として設置する。プログラミングの基礎を学んだ上で、段階的にITやアプリの開発、データサイエンスのスキルを身につける。最先端のICTツールを導入し、全産業分野で活躍するための実践的な情報教育の実現を目指す。

「情報」のカリキュラム
「情報」のカリキュラム

 「数理科学」では、基本的な数学のカリキュラムに加え、どのように社会に応用していくかをテーマにした学びを展開。数学の歴史や微積分などを体系的に学んだ上で、経済や情報分野に活かせる実践的な科目を設置する。また、数学を専門的に学びたい意欲のある学生に向けて、ガロア理論やIUT理論などの科目を開講する予定。

「数理科学」のカリキュラム
「数理科学」のカリキュラム

 「デジタル産業」では、アニメ・ゲーム・マンガ・IT・ネット領域を中心に、各業界の産業構造と現代につながる歴史と各業界が繁栄に至った重要な出来事について学ぶ。産業の来歴や時代による価値観の違い、コンテンツが社会に与えた影響を知ることで、時代の変化に対応する思考力と新たなモノを生み出すために必要な知識を身につけることができる。

「デジタル産業」のカリキュラム
「デジタル産業」のカリキュラム

 「クリエイティブ」では、最新のAI・デジタルツールを活用して、学生が実際にモノづくりを行いアウトプットすることを目指す。授業を通してゼロから始めるモノづくりの思考を学び創造し、構築する過程を通して社会で活躍できるスキルと企画創造力を身につける。

「クリエイティブ」のカリキュラム
「クリエイティブ」のカリキュラム

 なお、現在ドワンゴでは、全135科目1万2150本の授業動画を制作しており、2025年の開学時には72科目6480本、2027年3月にはすべての動画が公開される予定。授業動画は、オンライン学習システム「N予備校」をリニューアルした「ZEN Study」で提供される。なお、卒業に必要な単位は124単位で、標準的な科目は2単位を予定しているため、4年間で62科目の単位を修得することで卒業が可能になる見込み。

 さらに同大学は、未来の発展へとつなげる取り組みとして、数学・AI・コンテンツ産業など、さまざまな領域での研究プロジェクトを立ち上げる。

 「IUGC(宇宙際幾何学センター)」(所長:加藤文元氏、副所長:イヴァン・フェセンコ氏)は、日本発の世界的な数学理論であるIUT理論を推進・普及し、数学の未来を切り開いていくための研究施設として設立される。すべてのコースに合格すれば、世界中のあらゆる大学の数学科の学生よりもIUT理論の知識が備わる、としている。また世界初となる、IUT理論を理解する数学者の裾野を広げるためのオリジナル入門講座も開設する。

 「第二松尾研」は、AI研究の第一人者・東京大学大学院の教授である松尾豊氏による新たな研究室。松尾氏は同大学の特別招聘教授を務める。「第二松尾研」では「AIをより身近に、最適に使えるスキルを磨く」をテーマに、変化に満ちたAI時代に必要な知識とスキルを備えた次世代の学生を育成する。東京大学松尾研究室との人材交流や共同勉強会なども実施予定。

 「歴史プロジェクト」ではIT・ゲーム・マンガ・アニメ・ネット文化といった日本のコンテンツ業界の歴史を社会の共有財産として整備。客員教授である、マンガ・アニメ雑誌の編集長を務めた井上伸一郎氏と、ゲーム雑誌の編集長を務めた浜村弘一氏のもと、業界のキーパーソン・クリエイター・技術者などへ取材をして一次資料として記録し、グローバルに展開できる歴史資産を形成していく。

 発表会で進行を務めた、ドワンゴの代表取締役社長である夏野剛氏は「実は、日本において大学進学は一般的なことではない。大学進学率を世界的に見ると、オーストラリアや台湾は90%、アメリカや韓国は70%だが、日本は約50%しかなく先進国の中では低い水準」と説明。さらに日本の中にも地域格差があり、東京都はアメリカや韓国と同水準の約70%だが、もっとも低い都道府県は40%にも満たないことを訴えた。

大学進学率が1位と47位の都道府県には33.6ポイントもの差がある
大学進学率が1位と47位の都道府県には33.6ポイントもの差がある

 また夏野氏は、世帯収入による進路の格差にも言及。日本では、所得が高い家庭の子どもほど、学費が安い国公立大学に進学する割合が高いという。その理由として「本来であれば所得の低い家庭の子どもを救うために国公立大学があるべきだが、学費の安さゆえに入学試験のレベルも高く、学費をかけて予備校に通わなければ入学できない」と、現状を解説した。

世帯収入による進路の格差
世帯収入による進路の格差

 さらに、40の都道府県では女子と比較して男子の大学進学率が高く、もっとも男女差が大きい県では約8%もの差があることを提示。「地域や世帯収入などによる進学の阻害要因が、男子よりも女子に強く働いている」と危機感を示した。

大学進学率の都道府県別男女差
大学進学率の都道府県別男女差

 これらの問題を踏まえ、夏野氏はZEN大学の特徴を説明。「学費は国公立大学よりも安い38万円に設定。さらにオンラインで好きな場所で学べるため、地方の自宅に住み続けながら進学できる。そして動画教材によって自分の好きな時間に学べる。自分がやりたいことを追求しながら大学教育が受けられる」ことを強調した。

 その上で「入学時の学力ではなく、自分の興味を極めることが本来の学力。だからこそ、専門性が高い多様な授業を受けられるようにする」と補足。「ZEN大学のこれらの特徴によって、これまで大学に行きたくても行けなかった学生に学びを提供したい」とまとめた。

 発表会の模様はYouTubeで公開されており、動画の中では就任予定の教員も詳しく紹介している。

新しいオンライン大学「ZEN大学」設立に関する発表会
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https://edtechzine.jp/article/detail/9486 2023/06/10 17:20

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